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武井壮が「刃牙」作者の板垣恵介と対談「最強ってなんだ!」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2017.01.22 20:00 最終更新日:2017.01.22 20:00

武井壮が「刃牙」作者の板垣恵介と対談「最強ってなんだ!」

『武井壮(右)が「刃牙」作者に挑む!』

 

『グラップラー刃牙』の連載開始から25年。「漫画界最強」と「百獣の王」が、肉体のみならず精神的な面を含めて、「最強」について語った120分!

――対談が始まると、さっそく板垣先生が、武井の肉体に興味を示す。

 

板垣恵介 武井くん、いい体してるね。

 

武井壮 毎日1時間は必ずトレーニングしています。アキレス腱が日本人とちょっと違って……さわってみます? 医者も「日本人のアキレス腱じゃない」って。今43歳ですが、まだギリギリ100m10秒台で走れます。

 

板垣 俺、自衛隊の空挺部隊にいたんだけど、100m10秒台って1人しかいなかった。十種競技日本一だもんね。1500mも4分
10秒?

 

武井 4分8秒です。1500のトレーニングはしたことないですが。

 

板垣 風を切りそうな輪郭だものね。ヴァンダレイ・シウバと同じ顔の形。小さいし狭く、奥行きがある。

 

――板垣先生が最強にこだわるのは自身の経歴が関係している。

 

板垣 俺、自衛隊時代もボクシングでオリンピックの代表選手にも勝ってる。でも、一流格闘家を見てるとプロでやらなくてよかったと本当に思うよ。過去、全人類でいちばん強いって思う人は誰?

 

武井 難しい。「このルールなら俺は勝てる」って思うんです。UFCの川尻(達也)、岡見(勇信)にしても格闘技のリングなら絶対負ける。でもこのルールだったら……。

 

板垣 どれなら勝てるのよ(笑)。

 

武井 たとえばサバンナだったら勝てる。絶対追いつかれないですし、ヘロヘロになるまで引きつけて。4、5日して集中力がなくなったときに、小石を投げつけるとか。

 

板垣 真顔で言ってる(笑)。『あしたのジョー』で力石を死なせてしまって落ち込んだジョーが、おでん屋で喧嘩したら素人に負けちゃうのよ。顔を腫らして帰ったら丹下段平が「拳闘やってて喧嘩に負けるのはまずい」って。格闘技のプロが殴り合いで負けるのは絶対にダメ。すげえそのシーンが印象に残ってる。

 

武井 だから、俺をサバンナで倒さなきゃ最強だと言っちゃいけない。リングでやってるうちは、まだ最強を名乗ってはいけない(笑)。

 

板垣 俺は格闘家とは知名度や収入とか別のとこで勝負するかな。

 

武井 先生も僕と似ててかなり負けず嫌いですね。僕のなかでの最強の定義はひたすら成長し続けて、「いつか勝つ」ことなんですよ。

 

板垣 自分が大事にしてる部分で勝ちたい。同業者は部数という数字に表われるから、負けたくない。

 

武井 僕も本の部数に関しては先生に敵わないです。

 

板垣 なにか本も出してるの?

 

武井 初版1万部で2回増刷しましたけど、今は先生の部数に絶対勝てない。ただ同じ年数書いたらわかんねえぞ! と思ってます(笑)。

 

板垣 負ける気しねえな(笑)。

 

武井 先生の絵も、最初と比べると刃牙の体、筋肉の描写がどんどん進化してる。「地球上で最強の生物は誰だ」というテーマをいちばん表現しているのが先生の作品。そんな漫画はなかった。格闘漫画ってジャンルでいえば、やっぱり金メダリストですよね。

 

板垣 自分が詳しくて飽きなくていちばん情熱を持てるのがこのジャンル。最強を目指して山籠りもしたし、自衛隊、ボクシング、武術家との立合い……漫画家でいちばん汗流して、痛い目に遭い苦しんできた自負がある。このジャンルだったら絶対負けない。最強を描けば俺が一番という自信があった。

 

――刃牙に影響を受けたと語る武井。好きなキャラは第1部『グラップラー刃牙』12巻から登場する喧嘩師・花山薫だ。

 

武井 なにも鍛えてないのに強い花山が最強と思ってました。

 

板垣 じつは花山が鍛えないってのは『ダイ・ハード』の影響。敵のバリバリ鍛えた空手家より、主人公のブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事の鍛えない強さ。持ってる体だけで戦う心の強さがイカしてたんだよね。

 

武井 僕がジムに行かない理由と一緒ですね。トレーニングジムとかじゃねえ、俺は地球で鍛えてんだ! っていう気持ちで体も心も鍛えてます。花山リスペクトもありますね。

 

板垣 ジムは行ってたけど、50歳近づくと、贅肉も落ちにくくなるなあ。

 

武井 やりましょう、先生。ジムじゃなくて地球で鍛えましょう!

 

 

【「刃牙」(バキ)シリーズとは?】

 地上最強の生物と謳われる範馬勇次郎を父に持つ主人公・範馬刃牙と、さまざまな格闘家との闘いが織り成す格闘漫画の金字塔。1991年の『グラップラー刃牙』スタートから25年、現在も「最強とは何か」をテーマにシリーズが連載中。

 

 累計発行部数は6300万部以上。コミックはシリーズで全124巻(+外伝3巻)。圧倒的な画力で描くド迫力の格闘描写で格闘家や芸能界にも熱狂的なファンが多い。

 

 最新15巻が2017年1月6日発売。さらにシリーズ第2部となる『バキ』テレビアニメ化、決定!!

 

いたがきけいすけ
 1957年北海道生まれ 1989年デビュー。自身も少林寺拳法2段、ボクシング国体出場、自衛隊在籍など名実ともに闘う漫画家である。現在、「週刊少年チャンピオン」にて『刃牙道』連載中

 

たけいそう 
 1973年東京都生まれ 職業、肩書・百獣の王。住所・地球、趣味・成長。元陸上十種競技日本王者。著書に『勝つ人 ~13人のアスリートたち~』(文春e-book)。詳細は公式Twitter(@sosotakei)にて
(週刊FLASH 2017年1月3日号)

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