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「日本初の体位は後背位だった!?」その信じられない理由

夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2016.09.26 20:00 最終更新日:2016.10.12 10:42

「日本初の体位は後背位だった!?」その信じられない理由

写真:アフロ

 

 日本最古の書物『古事記』(712年に完成)には、「日本で最初のセックス」がどのようにして始まったかという記述がある。

 

 登場するのはイザナギという男神とイザナミという女神で、日本で最初の「男と女」であった。

 

 2人は「国を作る」という前代未聞の事業に取りかかるのだが、「さてナニをやればいいのだ?」というところで、セックスシーンが出てくる。

 

 イザナギが思いついたのが「出っ張っているところ」と「1カ所足りないところ」があるから合わせてしまおう、というアイデア。

 

 そんな男からのセックスの提案に女であるイザナミが「うん! いいわね(=然、善し)」と、とことん明るく返事する。じつに淡々として、口説く側も口説かれる側もまったく照れというものがない。

 

 だが、日本史における重大な場面でありながら、この部分が古文の教科書に採用されたという例は聞いたことがない。そこで、以下、原文を示そう。

 

《其(そ)の妹(いも)伊耶那美命(いざなみのみこと)を問ひて曰(い)ひしく、「汝が身は、如何にか成れる」といひしに、答(こた)えて曰(もう)ししく、「吾(あ)が身は、成り成りて成り合はぬ処一処(ところひとところ)在り」とまをしき。
 爾(しか)くして、伊耶那岐命(いざなぎのみこと)の詔(のりたま)ひしく、「我が身は、成り成りて成り余れる処一処在り。故(かれ)、此(こ)の吾が身の成り余れる処を以(もっ)て、汝が身の成り合はぬ処を刺し塞ぎて、国土(くに)を生み成さむと以為(おも)ふ。
 生むは、奈何(いか)に」とのりたまひしに、伊耶那美命の答へて曰ひしく、「然(しか)、善(よ)し」といひき。》

(『古事記』/小学館『新日本古典文学全集』伊耶那岐命と伊耶那美命より)

 

 じつは『古事記』の8年後にまとめられた『日本書紀』には、この2人の「合体」の詳細が語られている。

 

《遂に合交せむとして、其の術を知りたまはず。時に鶺鴒有り、飛び来り其の首尾を揺す。二神見して学び、即ち交道を得たまふ》

 

 セックスしようとしても、方法がわからなかった。そこへセキレイが飛んできて長い尾を上下にチュンチュンと振ったのを見た2人は、やり方を知った。鳥の動きを見ただけでわかるとは何とも勘がいいが、だとすれば、日本最古のセックスは後背位であったと思われる。

 

 ともあれ、これでイザナギの「成り余れる処」がイザナミの「成り合はぬ処」を「刺し塞ぐ」ことができましたとさ。

 

 さて、この後、2人の神の合体によって最初の子供が生まれるのだが、水蛭子(ひるこ)と呼ばれるできそこないで、葦船で流して捨てられてしまう。

 

 子作りに失敗した理由は、「女の言先ちしによりて良くあらず」、つまり女のイザナミのほうから先に「あなにやし、えをとこを(あら、いい男)」と声をかけたからだとされている。

 

 つまり、求婚に当たっては男が先に声をかけるのが日本古来のルールなのだ。平安末期から見られる『道成寺』の一連の説話でも、女から男を誘う話があるが、女は驚いて逃げる男を追いかけるうちにヘビになってしまう。女から誘ってはいけないという戒めなのである。

 

 ちなみに、『源氏物語』では、光源氏のライバルにあたる右大臣家の姫君・朧月夜の君が、光源氏の兄(次の天皇)の后になることが決まっているにもかかわらず、結婚する前に一度は噂の光源氏とヤってみたいと思って、自分から積極的に誘っている。

 

 そのスキャンダルが発覚したため、光源氏は自ら須磨へ退去し、不遇の時を過ごすことになるのだから、これもまた女から誘ったことへの戒めかもしれない。

 

 現代の男としては、女から誘われたらけっこううれしい気がするのだが……。

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