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巨乳化が止まらない日本で発生した「小さな胸」への憧憬
夜バナFLASH編集部
記事投稿日:2016.10.03 12:00 最終更新日:2017.09.07 16:54
日本人の巨乳化が止まらない。下着研究家・青山まり氏が言う。
「食生活が昔に比べて肉食傾向になってきたことに加え、寄せて上げるブラの登場により女性のバスト自体が補整されて、日本人女性の胸が大きくなっている」
実際の数字を見てみよう。トリンプの調査では、1980年に58.6%がAカップだった。以下、
1990年 32.3%
2000年 14.2%
2005年 8.6%
2010年 8.5%
2014年 5.3%
と、この30年余りでAカップは“絶滅危惧種”になりつつあるのだ。
だが、小さな胸のことを「ペチャパイ」「貧乳」と呼んだのは過去のこと。いまでは、「小さなおっぱい=ちっぱい」として進化を遂げ、密かなブームとなっていた。
実は、現代だけでなく、歴史のなかにも「ちっぱい」ブームはあった。
16世紀のヨーロッパでは「細いウエストとバランスが取れるように、コルセットで胸も小さく抑え込んでいた」(前出・青山氏)という。コルセットで胸全体を覆い、わざわざ扁平な胸板を作り出していたのだ。
同時期のルネサンス絵画には、当時好まれた小ぶりな胸が頻繁に描かれている。ルネサンス期における理想のバストは「小さく、丸く、白く」だったのである。
また、スーパーモデルたちの間で豊胸手術が流行していた1996年、その状況に衝撃を与えたのがシャネルの極小ビキニであった。極小すぎて、「どんなに小さくても、ここに胸があるのよ」と主張しているようだった。それは作り物の偽おっぱいより本物の「ちっぱい」の美しさを主張していた。
また、青山氏は「胸の大きい人には可愛い下着が選べないなどで、胸を小さくしたいという願望が近年、増えている」と解説する。
加えて、手術によって胸を小さくする事例もある。テニス選手のシモナ・ハレプは、巨乳がプレーに支障をきたすため、17歳でカップ数をHからCの5カップ減の縮小手術を受けている。そのおかげか、2014年には全仏オープンで準優勝するなどトップ選手になった。
世の中において「胸が大きい」ことがもてはやされることは多い。そのため、「ちっぱい女子」は自身の胸にコンプレックスを抱いていることも少なくないが、 “ない”ことをバネにしてテクニックを生み出していく、努力系ちっぱい女子も多い。
現代に生きる我々は、豊満な胸に対する疑問を持ち、「小さめでも美しい胸」が新たな価値を生むことを、心底信じるべきなのだ。
(週刊FLASH 2016年9月13日号)