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【数字は踊る】ネットがセックスレス時代を救う!
連載FLASH編集部
記事投稿日:2016.07.21 22:00 最終更新日:2016.07.21 22:00
●高齢者に増える「草食オヤジ」
「最近の若いもんは家でネットばかり見て、『セックスなんて面倒くさい』って言うそうじゃないか。まったく、軟弱でけしからん。我々の若いときは……」
居酒屋でビールを片手に、こんな会話が日本中で繰り広げられていそうな今日このごろだが、じつは「草食オヤジ」も増えている。
2014年の9月に16歳から49歳の男女2676人(平均年齢男性33.9歳、女性35.3歳)を対象にして、1134人から回答を得た、性交渉経験に関する調査が1月に発表された(日本家族計画協会)。
調査時の1カ月間に性交渉がなかったとする人が全体で49.3%(男性48.3%、女性50.1%)で、男女とも前回調査(2012年)より約5ポイント増えた。夫婦に限ると44.6%がセックスレスで、これは前回に比べて3.3ポイント、10年前に比べると12.7ポイント増えた。
理由でいちばん多かったのは、男性が「仕事で疲れている」21.3%、女性では「面倒くさい」23.8%だった。また「出産後でなんとなく」や「現在妊娠中、出産後すぐだから」など、妊娠と出産に関する理由の合計は男女合わせて53.4%と、レスの理由としては最も多かった。
セックスレスが増えた背景には、男性、とりわけ若い男性の草食化傾向があるといわれる。実際、性交渉への関心は「ない」または「嫌悪している」が男性17.9%、女性45.2%に上っていて、25~29歳の男性では20.3%と、2008年の調査時の約2.5倍に増えている。
また、同協会が2013年12月に全国の20~69歳の男女約10万人に電子メールで依頼し、5000人から回答を得たアンケート調査では、20代男性の42%、女性の21%が「異性と交渉を持った経験がない」と答えた。性が氾濫している時代に若者は欲望を失っているのだろうか。
注目すべきは既婚者、交際相手がいる人に対するアンケートだ。コンドームメーカーとして有名な相模ゴム工業の2013年の調査では、「世間一般にいうセックスレスだと思うか」の設問に対しては、既婚者の55.2%、交際中の29.0%が「そう思う」と答えている。
特に40代男性の62.9%、50代男性の60.3%がセックスレスだと思っている(40代女性56.2%、50代女性53.5%)。セックスをしたくない理由でいちばん多かったのは、40代男性では「面倒くさい」、次いで「年齢的にもういい」だった。50代男性では理由の1位と2位が逆転している。
●ネット経由でセックスする20代女子
若者はセックスに興味を失い、中年は加齢のせいで気力を失っている。
このまま日本は「1億総レス時代」に突入してしまうのか。と調べてみると、相模ゴムの調査で、ひとつ面白いデータがあった。なんと20代女性の初体験相手の9.6%がネット経由だったのだ。
そもそも、セックスレスとは、日本性科学会は「特別な事情がないのにカップルの合意した性交渉、あるいはセクシャル・コンタクト(オーラルセックスやペッティング、裸での同衾)が1カ月以上ないこと」と定義している。
「若者から恋愛や性を遠ざけたもの」の象徴として扱われてきた「インターネット」が、これから「セクシャル・コンタクト」の機会を増やすかもしれない。
(週刊FLASH 2015年4月21日号)