芸能・女子アナ
『真田丸』で豊臣家を滅亡させた峯村リエが「謝罪しまーす」
芸能・女子アナFLASH編集部
記事投稿日:2017.01.17 17:00 最終更新日:2017.01.17 17:00
平均視聴率で、5年ぶりに16%超えを果たした大河ドラマ『真田丸』が、昨年12月18日に感動の大団円を迎えた。
豊臣秀吉、石田三成、真田昌幸ら主要登場人物が次々と去っていく物語の終盤。世間の注目を一身に集めたのは意外なキャラだった。大蔵卿の局。茶々の乳母であり、豊臣秀頼の側近・大野治長、治房兄弟の実母にあたる女傑だ。
大蔵卿局への風当たりが一気に強まったのは40話以降。茶々や秀頼を思う彼女の、やることなすことすべてが豊臣家を滅亡に近づけていく。
主人公・真田信繁が心血を注いだ策にも、「なりませぬ」「ありえませぬ」とダメ出しの連続。ネット上には、「くそばばぁ」「戦犯」「上司を見ているようだ」といったヘイトな書き込みが殺到した。
近年の大河ドラマでは、屈指の「ヒール(悪役)」。演じる峯村リエとはどんな女優なのか。うかつな質問でもすれば、あの声で一喝されるのでは、と戦々恐々で東京・渋谷のNHK放送センターに向かう。
現われたのは長身の着物美人。「よろしくお願いします」と、お辞儀までしてくれた。話しぶりもいたって丁重。これが、あの大蔵卿局様の「正体」なのか――。
「ネットの書き込みにはへこみました。大蔵卿局は老け役なので、顔にシミを描いています。その『シミさえむかつく』と書いてあった(笑)。『本当にすみません』と思いました。
最近のドラマでは、『善玉』『悪玉』があまり明確ではない。悪い役でも、どこかいい面を見せたりする。視聴者の皆さんも『本当に悪い奴だ』と思える人物が出てきて、ちょうどいいストレス発散ができたんじゃないでしょうか」
老け役に抵抗はなかったのか。
「現場にいるのは鈴木京香さん、竹内結子さん、長澤まさみさん。そんな方々の前で『老けたくない』と私が言ったところでどうなるんだろうと(笑)。だったら、むしろちゃんと老けて演じるほうが恥ずかしくありません」
峯村リエ本人は、大蔵卿局をどんなふうに見ているのだろうか。
「『この人、本当に鬱陶しいな』と。どこか浅はかなんです。彼女が守りたいものは、はっきりしている。茶々様と秀頼公。
ただ、真面目すぎて、周囲への対処を間違える。頭のいい人なら、うまく取り込んでいくでしょう。大蔵卿局はひたすら『拒否』。でも、その浅はかさが愛おしく思えてきます」
『真田丸』にはそうそうたるキャストが集結。なかでも、印象に残った演技は?
「秀吉殿下を演じた小日向文世さん。間近に見たお芝居はすごかった。役への入り込み方が違う。笑顔でも目は笑っていない。ぶざまな最期も大好きです。無意識にせよ、現場を沸かせてくれ、周囲をひきつける魅力があった」
『真田丸』には第1回「船出」から、すべて漢字2文字の副題がつく。最終回は「無題」。視聴者一人ひとりにつけてほしいとの意味がこめられていた。
「え、私が副題をつける? 『謝罪』でお願いします(笑)。私が見ていても、『あれ、豊臣方が勝つんじゃないの?』と思わせてくれる勢いがこの作品にはあった。終盤で、大蔵卿局が『ありえぬ』ことを次々にしでかし、本当に申し訳ありませんでした(笑)」
(週刊FLASH 2017年1月3日号)