芸能・女子アナ
NHK朝ドラ『べっぴんさん』4人の主婦が200億円企業を築くまで
芸能FLASH編集部
記事投稿日:2016.10.18 12:00 最終更新日:2016.10.18 12:00
10月3日にスタートしたNHKの朝ドラ『べっぴんさん』。神戸の山の手で生まれたヒロイン・坂東すみれが、幼いわが子のために作った小物をきっかけに、子供服作りに没頭。就業経験のない女友達3人と起業し、一大企業に成長させるまでを描く。
すみれのモデルは、子供服メーカー「ファミリア」の創業者の一人である坂野惇子氏。1980年代、同社は売り上げ約230億円の業界トップ企業となる。その立役者が坂野氏だ。いったいどんな人物だったのか。
「惇子さんは子供のころから『2番が好き』と言い、自身は社長に就くことはありませんでした」
そう語るのは、『ファミリア創業者 坂野惇子』の著者である中野明氏。
「私が、私が、というタイプではなかったので、まわりの人を『助けなければ』という思いにさせるんです。ドラマでも、お嬢様育ちの主婦たちが、破天荒なビジネスを展開していく流れになるはず。
最初に手作りの小物を並べるショーケースを提供したモトヤ靴店の店主、銀座への出店を後押しした阪急百貨店やレナウンの社長……。どのように描かれるのか、楽しみですね」
約10年前に同社を定年退職した植田重雄さんが、創業当時を振り返る。
「惇子さんは温厚で品のある方でしたが、仕事には厳しかった。梅田の阪急百貨店で新作の展示・販売会をおこなったとき、惇子さんは、ディスプレーなどすべてをチェックして『商品の表情がよくない』と、角度を変えたりする。それを、夜を徹してやっていました。製品にも厳しかった。エプロンにヒヨコのアップリケを入れる際、ヒヨコの目の位置がちょっと違っただけでも、不良品に回すんです。凄い人でしたわぁ」
都内の販売店に長年勤務した元店員は、製品にこめられたこだわりを語る。
「ワンピースひとつとっても、子供の成長に合わせ、丈を10センチぐらいは伸ばせるように工夫されていました。生地も丈夫で、ボタンがきちんと縫いつけられていました。他社より高くても、長持ちして、デザインも飽きがこないからと、また買いに来てくださる。そんなお客さんが『ファミリアはいいわよ』と、口コミで広めてくださった」
惇子氏が厳しく指導した品質第一の製品作りが、多くのファンを獲得していった。
ドラマでこの惇子氏を演じるのが、2013年デビューの新進女優、芳根京子(19)。NHK上層部はその演技を「初々しい」と評価している様子だが、局の関係者は語る。
「関西弁が非常に苦手なようで、最初はとにかくNGが多く、最近やっとうまくなってきた。裁縫シーンが多いが、針の使い方やミシンの踏み方がわからず、1週間ほど習っていたようだ」
「エキサイトニュース」でドラマ評を連載する木俣冬氏は、そんな芳根と脚本担当の渡辺千穂に期待を寄せる。
「芳根は初主演映画『物置のピアノ』の演技がすごくよかった。外見に派手さはないけど、観ていて応援したくなるタイプ。渡辺千穂は、沢尻エリカ主演の『ファースト・クラス』で脚本を
担当。女同士のねたみ・そねみを丁寧、かつ上手に描いていた。主人公をめぐる女性たちの軋轢(あつれき)を、朝ドラらしく描いていければ、うまくいくと思います」
『べっぴんさん』のタイトルの由来は「別品」。普通とは違う、特別によい品物という意味だ。芳根京子演じる朝ドラは、まさに「別品」だ。
(週刊FLASH 2016年10月11日号)