社会・政治社会・政治

「『バイキング』をBPOに訴える」高速道路「手抜き工事」報道で実名を出された社長が怒り

社会・政治 投稿日:2020.11.25 06:00FLASH編集部

「『バイキング』をBPOに訴える」高速道路「手抜き工事」報道で実名を出された社長が怒り

『バイキング』総合MCとして、6年めを迎えた坂上忍(53)。討論番組として、トークの振り方で存在感を発揮

 

「あの放送後に、取引先から一斉に電話が入りました。うちが『施工不良を意図的に隠ぺいしていた』と取られるような主張だけが、一方的に放送されて……。おかげで、8年間続いていた仕事も打ち切られてしまいました」

 

 悲痛な思いを語るのは、「株式会社ダイコウ」の吉田哲也社長。「あの放送」とは、11月10日の『バイキングMORE』(フジテレビ系)のことだ。この日の『バイキング』は、『週刊文春』(11月5日号)が最初に報じて注目を浴びた「高速道路手抜き工事」問題を大きく取り上げた。

 

 

『週刊文春』の報道では、東京都日野市にある、中央道にかかる「緑橋」について、耐震工事の二次請け業者だった「株式会社吉岡建築設計」の吉岡史人会長が「必要な鉄筋8本が不足した工事だった」ことを告発。

 

 さらに、元請け業者の現場担当者が「鉄筋が余っているなら、早く片付けろ」と “隠ぺい” を指示したことも明らかにした(元請け業者は隠ぺいの指示については否定)。

 

『バイキング』でも、吉岡会長のインタビューをもとに、緑橋の施工不良について、業者間で意見が食い違っている現状が紹介された。そこで突然、『文春』の記事では社名が報じられていなかったダイコウが、一次請け業者として実名で報道されたのだ。

 

「現実に、緑橋の橋台に鉄筋が入っていなかったことは、技術担当である当社に責任があります。多くの方に心配をおかけしていることは謝罪いたします」(吉田社長、以下同)

 

 だが、放送内では「あまりにも、一方的な主張ばかりが報じられていた」と、吉田社長は憤る。

 

「吉岡側は、『自分たちが現場に行った段階では、すでに鉄筋がなかった』と、うちが派遣した職人が手抜きをしたような主張をしていました。そもそも、そこが根本的に違います。

 

 その点を、『バイキング』のスタッフには詳しく説明したにもかかわらず、うちと吉岡側の主張で『何がどう食い違っているのか』という部分は、まともに扱われないまま、社名が報道されたのです」

 

 吉田社長が語る、緑橋の工事経緯は次のとおりだ。元請け業者から現場の管理をまかされていたダイコウは、吉岡建築設計に、作業員の確保と実際の作業を委託していた。緑橋には現場管理者が2人おり、1人はダイコウが手配した人物。そして、もう1人は吉岡建築設計が連れてきて、ダイコウ側に「世話をしてくれないか」と頼み込んで管理者にしてもらった人物だった。

 

 問題の “手抜き工事” がおこなわれた当日(2019年12月26日)、ダイコウが手配した鉄筋施工の職人が現場に到着すると、“吉岡側が連れてきた、もう1人の現場管理者” から、「作業をやめて帰宅してください」「この先は弊社(吉岡)で施工をする」と伝えられたという。

 

 つまり吉田社長は、「鉄筋が8本不足したままでの “手抜き工事” は、吉岡建築設計が手配した現場管理者と作業員しかいない状況の現場でおこなわれた」「にもかかわらず、吉岡側は自らの作業での施工不良を認めずに告発している」と主張しているのだ。

 

「当日、吉岡側から帰された職人からの『報告メール』もあります。吉岡側に言われるままに、現場から帰ってしまったことについては、完全に私たちの管理不足でした。『文春』の取材にも、このことは伝えました。しかしコメントは、まったく使われませんでした」

 

続きを見る
12

社会・政治一覧をもっと見る

社会・政治 一覧を見る

今、あなたにおすすめの記事