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ケネディ大統領夫人「ラブレター」で発覚した「悲しすぎる恋」

社会・政治 投稿日:2017.03.06 17:00FLASH編集部

ケネディ大統領夫人「ラブレター」で発覚した「悲しすぎる恋」

『写真:オークションハウスBonhamsのリリースより』

 

 3月31日に日本公開の映画『ジャッキー:ファーストレディ最後の使命』が話題となっている。悲劇のヒロイン役を演じるのはナタリー・ポートマン。『ブラック・スワン』でアカデミー賞主演女優賞を得た演技派だ。

 

 映画は、アメリカのファーストレディとして人気ナンバーワンのジャックリーン・ケネディ(愛称ジャッキー)の知られざる権謀術数が描かれているとのこと。

 

 この映画に合わせたのかどうか、3月29日にロンドンで彼女の書いたラブレターが競売にかけられることになった。ついこの間まで駐日アメリカ大使だったキャロライン・ケネディ女史の母親のラブレターである。

 

 しかも、ラブレターの相手は故ジョン・F・ケネディ大統領ではなく、暗殺事件後に急速に親しくなったイギリス人外交官というからびっくりだ。

 

 ジャッキーといえば、世界中が同情した「悲劇の主人公」であることは間違いない。なにしろ、夫のケネディ大統領がテキサス州のダラスで暗殺されたとき、オープンカーの隣に座っていたわけだから。弾丸を受け、飛び散った夫の脳漿を必死で拾い集める姿はいまだに多くの人々の脳裏に焼き付いているはずだ。

 

 34歳で未亡人となったジャッキーは、後にギリシアの大富豪オナシス氏と再婚するのだが、実は、その前に本気で付き合った人物がいた。その彼との間で交わした手書きのラブレターが今回競りにかけられることになったわけだ。

 

 お相手の男性はデービッド・ゴア氏。クリントン大統領時代に副大統領を務めたアル・ゴア氏とは無関係で、イギリスの駐米大使を務めた人物。

 

 ケネディ大統領とは非常に親しく、1962年のキューバ危機のとき、常時、側にいて対応をアドバイスしていた。ベトナム戦争やソ連との核兵器削減交渉についても相談に乗ったという。

 

 ケネディ大統領の妹がゴア氏の従弟と結婚していたことも2人の仲を深めたと見られる。いずれにせよ、ケネディ大統領夫妻と最も緊密に公私にわたり付き合っていたのがゴア氏だった。

 

 ニューヨークで一部が先行公開されたラブレターには、夫を失ったジャッキーの寂しさ、苛立ち、怒りといった感情が溢れている。その上で、親身に接してくれるゴア氏への並々ならぬ愛情も率直に綴られている。

 

 ケネディ大統領が暗殺されて4年目のこと。1967年11月、ジャッキーはカンボジアのアンコールワット遺跡を訪ねている。そのとき、一緒に旅したのもゴア氏だった。実は、彼も妻を自動車事故で失っていた。似たような不幸な境遇が影響したのか、2人は急速に親しくなり、ゴア氏が正式に求婚することになった。ジャッキーも前向きのようだった。

 

 しかし、その後、亡夫の弟のロバート・ケネディ大統領候補が暗殺されたことで、彼女の気持ちに大きな変化が生じた。要は、彼女自身も身の危険をひしひしと感じるようになったからである。

 

 その結果、「海運業の王」と異名を取ったギリシアの大富豪を選ぶことになった。「自分と子供たちの安全を確保してくれるのは、この人しかいない」との理由だ。

 

 彼女の手紙を読むと、揺れ動く感情が迫ってくる。曰く「多くの人々にとって、私の決断は驚き以外の何物でもないでしょう。でも、私はこれまでとは別の世界でなければ生きていけないのです。そのことをみんなわかろうとしません」。

 

 愛しているのはゴア氏だが、アメリカを離れ、生き残るためには、政治とは無関係のオナシス氏を選ばざるを得ない、というわけだ。

 

 その間の心の葛藤を書き記したラブレターの数々。18通の手書きとタイプで打った1通の計19通は、まさに「世紀のラブレター」と言っても過言ではないだろう。ほかにもホワイトハウスへの入館証やロバート・ケネディの署名入りの手紙なども売りに出される。はたして、誰が、いくらで落札するのか、大いに気になるところだ。(国際未来学者・浜田和幸)

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