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総理親友の学校法人にタダで譲渡された「37億円の土地」

社会・政治 投稿日:2017.03.09 06:00FLASH編集部

総理親友の学校法人にタダで譲渡された「37億円の土地」

 

 無償譲渡されるのは、愛媛県今治市新都市第二地区(いこいの丘)の土地、16.8ヘクタールで36億7500万円。森友学園とはケタ違いの金額だ。

 

 今治市選出の福田剛愛媛県議が疑問を呈する。

 

「いこいの丘に新設される岡山理科大学の獣医学部は6年制の獣医学科(各学年の定員160人)と4年制の獣医保健看護学科(同60人)。総勢1200人の大学に土地を無償提供し、建設費の一部も今治市が負担するわけです。

 

 費用対効果に疑問があるし、大学は固定資産税も非課税。市にはほとんどお金が入ってきません。今治はタオルと造船の町で、その関係の大学なら納得がいくのですが……」

 

 岡山理科大を運営するのは学校法人「加計学園」(本拠地・岡山県)。岡山理科大など3つの大学をはじめ、専門学校、高校、中学、保育園を経営。さらに系列を含めて「一大教育グループ」を築く。

 

 同学園の加計孝太郎理事長(65)は、安倍晋三総理(62)が20代のころ、一緒にアメリカ留学して以来の親友だ。昨年だけでも3度の会食と2度のゴルフ、昨年12月24日には、昭恵夫人も交え4時間弱、会食している。

 

「孝太郎さんの学校経営手腕は高く評価されています。熱帯魚がブームになれば『アクアリウムコース』を作るなど、時流に乗る手法で生徒を集めてきました。趣味は武道全般。とくにボクシングが好きなようです」(加計氏を知る政界関係者)

 

 今治市民からは、巨額の負担を心配する声が上がっている。

 

「森友学園と同じようにいわれますが、今治市は'83年から、新都市開発整備事業をスタートして大学の誘致を進めてきたのです。解除条件つきの契約で、大学が撤退する場合は土地を返してもらえます」(市役所企画課)

 

 土地の無償譲渡だけではない。憤りを隠さないのは、日本獣医師会の境政人専務理事だ。

 

「私たちは半世紀以上、獣医学部の新設に反対してきました。獣医師は毎年1000人ほどが国家資格を取得し、獣医師の総数は不足していません。文部科学省も『獣医師の供給不足は起きていない』と申請を却下してきました。しかし昨年11月、安倍総理が出席する国家戦略特区諮問会議で官邸主導により短期間で決定されたのです」

 

 決定から1カ月間、文部科学省がパブリックコメントを募集すると、反対意見が83%。それでも新設方針に変更はなかったという。

 

 さらに、昭恵夫人は、加計学園が運営する「御影インターナショナルこども園」(神戸市東灘区)という認可外保育施設の「名誉園長」を務めている。
 加計学園に事実関係を問い合わせると、こんな答えが返ってきた。

 

「うちの理事長と総理は家族ぐるみのつき合いで、昭恵夫人に、『御影の名誉園長になってほしい』とお願いし、快諾いただいた。今治市の土地取得は、私学の場合、無償譲渡か貸与でだいたい決まるんです。今回、応募したのはうちだけですが、条件をこちらから提示したことはありません」(学園事務局)

 

 土地の無償譲渡を盛り込んだ'16年度補正予算案は、今治市議会で3日に可決。来年4月に開校する予定だ。

(週刊FLASH 2017年3月21日号)

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