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山口組、神戸山口組が“獄中ヤクザ”引き抜き合戦

社会・政治 投稿日:2015.10.08 06:00FLASH編集部

山口組、神戸山口組が“獄中ヤクザ”引き抜き合戦

弘道会の竹内照明会長が東京に現れた!

 9月29日、東京・六本木にある指定暴力団稲川会本部に緊張が走った。山口組七代目組長候補と目され、分裂騒動のキーマンといわれる竹内照明弘道会会長が突如現われたのだ。前後にはガードする車、周りを鉄板の入ったカバンを持つ組員が囲んだ。

 

「9月15日に稲川会が、山口組本部に『今後も変わらないつき合いをする』と挨拶に行っている。今回はその返礼で、わざわざ竹内会長が来た。この時期にあえて東京に来ることは、相当なデモンストレーションになった。神戸山口組に対し『我々はきちんと他団体とつき合いをしている』とアピールする意味があるのだろう」(暴力団に詳しいジャーナリスト)

 

 山口組と神戸山口組が分裂して1カ月が経過したが、依然主導権をめぐる争いが続いている。だが、それは塀の中でも同様のようだ。東北地方にある刑務所に2年半入所し、9月中旬に出所してきた山口組傘下のあるヤクザ(40代)は次のように語る。

 

「分裂騒動以降、刑務所内の工場では、受刑者のヤクザが山口組系と神戸山口組系に分けられた。ケンカになったら大変だからな。それでも両者はよく話をする。『神戸山口組に不平不満があったらこっちに来い』とね。俺が先に出所したから、残った者に雑誌や金の差し入れもする。奴らは寂しいし不安なんだ。『出所したら面倒を見る。向こう(神戸山口組)に行っても、先々ダメになるから』と言っておいた。すでに、何人かは『よろしくお願いします』と伝えてきている」

 

 情報が少ない刑務所の中では、新たに入所してくる暴力団組員が最大の情報源、東京にある独立系の組関係者はこう話す。

 

「9月に逮捕されて10日間拘置所にいたが、一緒に勾留されていた指定暴力団の組員から『山健組の人間を知っていたら名前と住所を教えてほしい』と言われた。知り合いはいるが、でも教えなかったよ。じつは俺らは“いずれ神戸山口組と手を結ぶことになるかもしれない”と聞いているからな。

 

 そうなったらその指定暴力団とは反目(ハンメ)になる。また、分裂騒動がチャンスだと思っている奴がいる。体を張れるヤクザだ。出所してすぐ組のために弾いたら(発砲したら)、出世できると思っている奴ら、引き抜きたいね」

 

 引き抜き合戦は、10年以上の長期刑で服役しているヤクザにも及んでいる。

 

「’97年に、山口組最高幹部だった宅見勝組長を射殺した元中野会系の組員は無期懲役で服役しているが、その人物がどっちにつくのかが注目されている。ほかに、過去の抗争事件でヒットマンとして勲章を挙げて服役している人間に対して、こっちへ来いと誘いをかけているという。

 

 長期刑で入っている組員は、出所したら老人になっているが、ヤクザ界で有名な人物がどちらの組に入るかで、影響力が変わってくる」(前出のジャーナリスト)

 

 法務省が発行する矯正施設の統計資料によると、平成26年度の全国の刑務所や拘置所の収容者は約6万人。そのうちおよそ1割、6000人近くが暴力団関係者で占められているとみられる。獄中で6000人ものヤクザが固唾をのんで分裂騒動を見守っているのだ。

 

(週刊FLASH 2015年10月20日号)

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