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日本にある「4つの特殊部隊」イベント前は結集して会議を

社会・政治 投稿日:2018.05.18 11:00FLASH編集部

日本にある「4つの特殊部隊」イベント前は結集して会議を

写真『Re:日本の特殊部隊』より

 

 陸上自衛隊が「水陸機動団」を発足させたのは3月末のこと。相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に配備された。

 

「尖閣防衛に特化した部隊です。自衛隊初の本格的な水陸両用作戦部隊で、ここ数年、米海兵隊と合同訓練を繰り返してきました。いわば “日本版海兵隊”です」(軍事専門誌「ストライク アンド タクティカル マガジン」編集長・浅香昌宏氏、以下同)

 

 日本には我々が知らない特殊部隊が存在する。内外のテロリストと戦い、外敵の侵入から国土を守る秘密部隊だ。通常、特殊作戦群(陸自)・特別警備隊(海自)・特殊急襲部隊(警察)・特殊警備隊(海保)の4部隊が特殊部隊と呼ばれる。これら各部隊は連携して動く。

 

「海外から要人が来日する際やオリンピックやワールドカップなどのイベントがあるときには、『特殊部隊会議』が開かれ、海か陸か、東京か大阪かなど、それぞれテリトリーや役割分担を決める話し合いがおこなわれます」

 

 いずれの部隊でも、選抜された隊員たちには高度な戦闘技術、強靱な肉体、そして抜群の戦闘力が求められる。 

 

「体力だけではありません。想定外の事態に対応できるための発想力や、英語のほか、中国語や韓国語などの語学力も求められます」

 

 2018年初めには尖閣諸島の接続水域に中国の潜水艦が侵入した。2017年末、日本海に続々と漂着した北朝鮮の不審船には軍の関与も疑われる。日本の海が脅かされている。

 

「海保のSSTと、海自のSBUですが、装備ではやはり、SBUが上回ります。一方で、逮捕権を持っているのが、SSTです。そして、今回、発足した水陸機動団もその任務や能力から、海を守る準特殊部隊といえます」

 
【海上自衛隊特別警備隊(SBU)】

 

 能登半島沖不審船事件(1999年)をきっかけに2001年に設立。米海軍特殊部隊SEALsをモデルとする。不審船に対する臨検(立入検査)が主任務だが、敵の武装解除や拘束も実施する。

 

 本拠地の江田島(広島県)に約70名の隊員が配置されている。小型の高速複合艇や水中スクーターで海上及び海中から不審船に近づく。

 

 部隊のエンブレムは「コウモリとサソリ」。これは世界中の軍隊で秘匿性の高い部隊の象徴だという。(解説協力:フォト・ジャーナリストの柿谷哲也氏、以下同)

 

【海上保安庁特殊警備隊(SST)】

 

 海保第五管区内の大阪府泉佐野市に設置されている。シージャックやテロなど海上における重大犯罪に対処し、海上空港、原発、サミット会場など臨海部の重要防護事案でも出動する。

 

 これまで沖縄サミットや横浜APECなどの警備を担当した。警備艇GS01「はやて」、GS02「いなづま」の専用艇2艇を関西空港警備に使用している。

 

【陸上自衛隊水陸機動団(元西部方面普通科連隊・WAiR)】

 

 西部方面普通科連隊を改変して約2100人規模で発足したばかり。中国の海洋進出を念頭に尖閣諸島や南西諸島の島嶼防衛を目的とする自衛隊初の本格的水陸両用部隊となった。 

 

 ヘリコプターから飛び降りるヘリキャスティングや、AAV7水陸両用車などを運用して上陸作戦を遂行するなど、水路潜入が得意なため「陸自の海兵隊」ともいわれている。部隊を運ぶのは、これから導入が始まる垂直離着陸機・オスプレイだ。

 

(週刊FLASH 2018年4月24日号)

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