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大相撲を沸かす「宇良」体重増やすのに毎日5合半の白飯を
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2016.09.10 12:00 最終更新日:2016.09.26 14:33
「高校入学当時は甲高い声だったし、身長も150cmちょいくらいで、男女合わせてもいちばん小さいほうだった。女の子に肩を組まれたり、頭を撫でられたりしてね。誰からも好かれるイジられキャラでした」(京都府立鳥羽高校相撲部前監督・田中英一さん)
「アクロバット相撲」見たさに、客の入り時間が早くなるなど、土俵を盛り上げてきた東十両筆頭の宇良(24)。だが、小よく大を制す男の原点は、苦労の連続だった。
「土日に稽古に参加していた小学生にも負けたことがあった。稽古では誰からも指名されず、他校との合同試合では『一人で体育館でトレーニングしてろ!』と、稽古場から追い出されたりしてね」(鳥羽高校OB)
関西学院大学に進学してからは、悔しさをバネにとにかく体を大きくする努力を重ねた。
「毎日5合半の白飯と、卵やスパムでタンパク質を摂り、ウエイトトレーニングで増量に励んだ。ポケットには常に米1合のおにぎりを入れて持ち歩いていた」(関西学院大学OB)
その努力の甲斐あって、「卒業間近には体重は105kgぐらいになって、10部屋ぐらいから勧誘がありました。勉強も熱心だったので、小学校の教員免許を持っています」と、関西学院大学相撲部総監督・石坪昭宏さんは語る。
それでも、173cm127kgの体格は角界では小兵。しかし、そんなハンディをものともせず、多彩な技で相手を翻弄する。
彼の技のルーツは、小学3年から始めたレスリングにある。指導したエンジョイレスリングクラブの監督・東嗣朗さんが振り返る。
「柔軟性は持って生まれたものだし、怪我が少ない体だった。居反りや足を取るのは、片足タックルというレスリングの技。十両に上がるまでの半分近くは、レスリングの技で勝ったようなものですね。宇良の居反りは、レスリングの飛行機投げを変形したもの。腕取りもレスリングの技です」
必死な努力と柔軟な体が、宇良を「小さな巨人」へと成長させた。父・辰美さんは、沖縄県国頭村の出身で、祖父母は沖縄在住。相撲中継の時間は、村中の人がテレビの前に集まり、声援を送るという。
スー女には「宇良ちゃん」と呼ばれ、握手やサインをせがまれるのも日常風景に。女子からの「可愛がり」は、日に日にヒートアップしている。
(週刊FLASH 2016年8月2日号)