初のシングル表題曲センターに、1st写真集発売。さらには初のドラマ出演…。新たな挑戦尽くしだったこの’21年を、櫻坂46のエースが振り返る。
― '21年を通じて最も印象に残った出来事を教えてください。
まず写真集の撮影は、自分をさらけ出す感覚を掴むきっかけになりました。この撮影期間で、人前でなかなか出せなかった素の部分を出せるようになった気がします。写真を見て、「私ってこんなに笑えるんだ」って驚いて。撮影を重ねるごとに表情が柔らかくなるのが実感できたし、「素の自分を出してもいいのかな」って思えるようになったんです。もうひとつは、初めてセンターを務めた3rdシングル『流れ弾』のMV撮影です。どんなポジションであってもそれぞれがやるべきことをやるだけだって思っていたけど、センターに立つといちばん目立つし、MVにもたくさん映る。そのぶん、自分の直したいところがいつも以上に見えるので、その戸惑いはありました。
― 特に大変だったポイントは?
たくさんあるんですけど、ひとつ挙げるとしたらラストのサビ。1回踊るだけでもハードな振付を、いろいろな角度から何度も撮ってもらって。全力で踊り続けるうちに、どこが正面かわからなくなって…。カットがかかった瞬間、その場で倒れ込んでしまったこともありました。2日間の撮影を通してずっと気を張っていたので、終わった瞬間に集中がぷつっと切れて、「やっと終わったんだ…」って心がほどけたのを覚えています。感情を爆発させるのが大事な曲で、ダークな世界観ではなく「楽しすぎる!」って空間を作るために、みんな限界突破してハイになって、あの時点での全力を出し切れたと思います。
― 本や映画がお好きで、読んだ本や観たドラマ、映画をブログに数多く書いていますよね。そのインプットが表現に生きることもあるのでしょうか。
MV撮影の前に監督から「狂気的な悪魔の役」だと聞いていたのですが、自分のキャラクターとは真逆で感覚が掴めず、狂気を持ったキャラクターが出ている映画をいくつか見てみました。たとえば笑い方ひとつでも、静かにニヤリと笑ったり、高らかに笑ったりと全然違う表現の仕方があるんですよね。そのまま真似することはなかったけど、こんなやり方もあるのか〜って勉強になりました。
― 過去に演技の仕事をしたいと語っていましたが、'21年は『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)の番組内ドラマに出演されました。今後、出演してみたい作品のジャンルや、役柄はありますか?
そのときどきで好きなテイストが変わるんです。少し前は『海街diary』のような静かな物語が好きだったんですけど、最近はミステリーやサスペンスをよく読んでいるので、壮絶な状況に陥る刑事役など、フィクションでしか体験できないものに挑戦してみたいです。
― 特技のバレーボールの推薦で大学に入ったほどの運動神経の持ち主なので、アクションも向いていると思います。
やってみたいです! でもちょっと自信があるだけに、もし現場で全然動けなかったらへこんじゃうかも(笑)。
― ブログに載せている読書リストは、人気の漫画から『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(講談社)といった本格ミステリー、海外ノンフィクションの『ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記』(早川書房)など、読書好きも脱帽のジャンルの広さと冊数ですが、どのように選んでいるのでしょうか。
お店の方が独自のセンスで選んだ本が並ぶ、少し変わった本屋さんに行くのが好きなんです。何もしない時間があると、ついお仕事のことばかり考えてしまうので、忙しいときほど本や映画の世界に逃げるようにしています。ただ、櫻坂46のメンバーがドラマ『ボーダレス』(ひかりTV)に出演すると聞いたとき、その少し前に原作の小説を読んでいたので「そうか、自分たちが出演できる可能性もあるのか」と気づいて。いままでは想像もしなかったけど、これからは好きな小説に出会ったとき「映像化されたら挑戦してみたい!」って思うかもしれません。でもそうなると、せっかく本の世界に逃げ込んでも結局お仕事のことを考えちゃいますね(笑)。
― 忙しい合間を縫って、ブログを頻繁に更新していますね。
私自身、昔からアイドルが大好きで、ブログをよく読んでいたんです。部活漬けの学生生活のなかで一番の楽しみはアイドルのブログ。家に帰ってすぐブログをチェックする日々を過ごしていました。昔、前田敦子さんが一日に何度もブログを更新されていて、バレーボールの練習を頑張るための原動力になっていたんです。本当に助けられていたなと感じるので、いま私を応援してくれる方たちにも、少しでも楽しんでもらえたらと思って、ブログを更新しています。
― では、最後に'22年の抱負をお願いします。
私、“野望人間”なので、やりたいことがありすぎるんです。櫻坂46をもっとたくさんの人に知ってもらって、いいパフォーマンスを届けたいし、フェスや音楽番組で欠かせない存在になりたいです。それ以外にも、『ライオンのグータッチ』(フジテレビ系)のようなバラエティ番組にももっと挑戦したいし、ラジオにももっとチャレンジしたいし、雑誌の撮影も、演技も…。3年間で成長できた、変わったと感じる部分もあるけど、グループに入ったころのアイドルが好きな気持ちとワクワク感はずっと変わらずに自分のベースにある。お仕事は全部楽しくて、いろいろなチャンスがあればあるほど嬉しいので、たくさん声をかけてもらえるように頑張ります!