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『麒麟がくる』川口春奈が演じる「帰蝶」ホントはどんな女性?

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.05.24 11:00FLASH編集部

『麒麟がくる』川口春奈が演じる「帰蝶」ホントはどんな女性?

 

 明智光秀の生涯を描くNHK大河ドラマ麒麟がくる』が好調だ。5月17日に放送された第18話の平均視聴率は15.1%。伊集院光がラジオで絶賛するなど、作品としての評判も上々である。なかでも注目されているのが、川口春奈が演じる、織田信長の正室、帰蝶だ。

 

 当初、帰蝶を演じる予定だった沢尻エリカ(34)が、麻薬取締法違反の容疑で逮捕されて降板。「乗馬の練習を重ねてきただけあって、彼女が馬に乗って登場するシーンは、美しくりりしかった。沢尻にとっては当たり役になったはず」(NHK関係者)と残念がる声もあった。ところが、放送を重ねるごとに川口の演技を褒める声が多く聞かれ、いまでは代役だったことを忘れてしまうほどだ。

 

 

 注目を集め、欠かせないヒロインとなっている帰蝶を、これまでも多くの女優が演じてきた。ここ10年ほどで振り返ると、『濃姫』(2012年・テレビ朝日系)では観月ありさ、『女信長』(2013年・フジテレビ系)では小雪、『軍師官兵衛』(2014年・NHK)では内田有紀、『信長協奏曲』(2014年・フジテレビ系)では柴咲コウが演じ、気高くも気が強い女性として描かれることが多い。

 

 では、実際の帰蝶はどんな女性だったのか。歴史作家・歴史研究家で、多摩大学の客員教授である河合敦氏に話を聞いた。

 

「彼女に関する資料はほとんどないんです。信長の家臣だった太田牛一が書いた『信長公記』という伝記に、斎藤道三の娘で、信長と結婚して正室として迎え入れたという記述があるだけなんですね。同書にもその後は一切登場しない。ほかに信憑性は薄い資料ですが、江戸時代に書かれた『美濃国諸旧記』に、帰蝶という名前があったとか。14~15歳で結婚したという説もありますが、そもそも生まれた年がよくわからないんです。確かだと言われるのは、道三の肖像画を岐阜県の常在寺に寄進したという記録です」

 

 ドラマでは、本能寺の変で薙刀を持ち、信長と一緒に戦ったシーンが描かれることが多いが、本能寺の変まで生きていたかどうかもわからないという。

 

「信長の長男、次男、長女を産んだのは生駒氏という一族の女性で、帰蝶とは別の女性なんです。実質的には信長の正室のような形になっていたので、帰蝶は早い段階で死んでしまったか、道三が死んだときに、利用価値がなくなったとして殺害された説もあります」

 

 いつ生まれていつ死んだかもわからない帰蝶が、なぜ凛とした気の強い戦国時代の姫として描かれるのか。

 

「逆にいうと、わからないからどう描いてもいいということになるんですね。僕もNHKの時代劇の時代考証を何度もしていますが、いろいろ考証していくなかで、わからないことはどう描いてもいいですよと(笑)。あまり史実に束縛されず、自由に描ける人物なんです。

 

 ただ、『マムシの道三』の娘で、信長の正室だから、気が強かったに違いないという、作り上げられたイメージなんですね。僕も道三の遺伝子を引くと考えると、自分の意思をはっきりと示す、非常に気の強い女性だっただろうと思います(笑)」

 

 イメージで作り上げられたヒロインであるとはいえ、なぜか心惹かれるのが帰蝶だ。実際、『麒麟がくる』では、旅芸人の女を利用して信長への援軍を集めるなど、帰蝶の策士ぶりが話題になっている。

 

「気が強くて腹に一物あるような感じは、沢尻さんのほうが合っていたのかなという気もします(笑)。川口さんは汚れてないというか、純粋すぎる感じがしますよね。でもそれが、かえっていいのかもしれません。

 

 帰蝶はいつまで生きるんでしょう? いまの感じだと本能寺の変までは生きそうですよね。彼女の人生をどう描くか。また、明智光秀がどうして謀反を起こしたかも諸説あるので、そのあたりをどう描くのか、非常に興味があります。『麒麟がくる』は、最後まで期待が持てる作品だと思います」

 

 ドラマの舞台は美濃から越前へ移ったが、コロナウイルス感染予防の影響で撮影が中断しているため、6月7日まで放送して中断となる。放送再開は8月下旬だが、当初の予定どおり全44話で放送するという。最終回が来年になることは決定的だ。あと数回での中断は残念だが、川口がしたたかな帰蝶をどう演じていくのか、またどんな人生を送っていくのか、今後の展開が楽しみである。

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