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村田雄浩、役者人生の転機に伊丹十三監督「言葉のセンスに感嘆」エンタメ・アイドル 投稿日:2020.07.09 11:00

村田雄浩、役者人生の転機に伊丹十三監督「言葉のセンスに感嘆」

 

「純朴で、ジャガイモのような顔の好青年」
 山田洋次監督が、デビュー間もない村田雄浩(60)を評した言葉だ。村田は今も、「最大の賛辞です」と胸を張る。

 

 映画デビューは、『思えば遠くへ来たもんだ』(朝間義隆監督、1980年)。武田鉄矢演じる臨時教師が、九州から秋田の高校に赴任し、柔道部の顧問として奮闘する物語だ。

 

 

「小学校から柔道をやっていたこともあり、僕が演じたのは、停学処分を受けた柔道部員。高校3年間はラグビー部だったので、最近もラガーマン役をいただきました(『不惑のスクラム』NHK、2018年)。なんでも、やっておくもんですよね(笑)」

 

 埼玉県立三郷高校に第1期生として入学。ラグビーで汗を流しながら、初代生徒会長を務め、自主映画作りにも打ち込んだ。

 

「格闘あり、スタントありの8ミリ映画を撮りました。『危険が危ない』という、わけがわからないタイトルでしたね(笑)。ストーリーは、ぜんぜん覚えていないんですけど」

 

 16歳のとき、新聞広告で見つけた「劇団ひまわり」に入団した。だが、在籍者も多く、自分で動かなければ刺激も得られない。

 

「ならばと、現在は脚本家として活躍している一色伸幸さん(映画『私をスキーに連れてって』、1987年など)が在籍していたので、脚本を書いてもらって自主映画を撮りました。作品は、一色さんが通っていた青山学院大学で上映。それが、本気で俳優を目指すきっかけになりました」

 

 焼酎のグラスを片手に語る村田が訪れたのは、東京・自由が丘の「Kenny」。ハワイで買い付けたインテリアや雑貨と、今では珍しいネオン管が店内を彩るが、「料理は厚揚げ焼き、牛肉とニンニクの炒め物など、和洋中なんでもあり(笑)」と村田。

 

 店主は、刑事ドラマや時代劇への出演が多い、俳優の青島健介。村田について聞いた。

 

「タケさんとは、もう36年のつき合いになります。とにかく優しい方。でも、酔うと『店閉めてカラオケ行こう』って(笑)。タケさん、斉藤和義とか、うまいんですよ」

 

 デビューしてすぐ、“地方出身の純朴ないい人” 役として重宝されたが、じつは東京・祐天寺の出身。一時は自宅に、全国各地の方言を吹き込んだテープが山ほどあった。仕事は途切れなかったが、物足りなさも感じていた。そんな村田に、1992年、相次いで転機が訪れた。まず、伊丹十三監督作品への出演。

 

「ヤクザの民事介入暴力を題材にした『ミンボーの女』では、暴力団に立ち向かう、気弱なホテルマンを演じました。

 

 伊丹作品には3作出させていただきましたが、監督の言葉のセンスがすごいんです。僕みたいな朴訥な風貌の役者に、おしゃれでアカデミックな台詞を言わせると、それだけで印象的なシーンとして、観客の記憶に残るんです」

 

『ミンボーの女』の演技が話題になっていたころ、もうひとつの “問題作” が公開された。『おこげ』(中島丈博監督)だ。

 

「ゲイの役で、ベッドシーンもありました。当時は同性愛の映画はまだ少なく、お蔵入りも噂されながらの撮影でした。

 

『ミンボーの女』が話題になって、上映館が決まった部分もあると思います。台本を読んだとき、『ほかの役者が演じたら、絶対に後悔する』と思いましたが、葛藤もありました。主宰していた劇団の仲間にも暗に止められて(笑)。

 

 でも恋人役は、尊敬する中原丈雄先輩でしたし、監督も心の奥底の動きを撮ってくれた。役者として覚醒できたと思います」

 

 これらの作品で村田は、1992年の報知映画賞助演男優賞や、1993年の日本アカデミー賞優秀助演男優賞などを受賞した。

 

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