「見ている方が喜んでくれるなら、どんな役にも迷いはありません」
知的でクールな役柄が多かったが、2019年にオンエアされた、食用きのこメーカー「ホクト」のCMを見れば、そう語るのも納得だ。大木の裂け目から顔を出す、シュールな「きのこおじさん」になってみせた。
「出演までの経緯は、今でも知らないんです」と苦笑する小木に代わり、事務所のスタッフが語った。
「スポンサーさんやCMプランナーから、小木でおもしろいことをやりたいと提案がありました。構想を聞くとおもしろくて、『ぜひ、やらせてください』と話が進みました」
公開を控える主演映画『恋する男』で演じるのは、妻子に逃げられ、会社からはリストラ対象となった男だ。
「違ったタイプの2人の女性と出会い、男の心は揺れ動き、ときめきすぎて “やらかして” しまう。残念だけど純粋な男の役です。
男って、人生経験を積むほど女性に対しても純粋になると思うんです。そして、妄想も膨らむ(笑)。そんな熟年男は、心のバランスをどうとるか。そこも見ていただきたいですね」
小木は来年、60歳になる。
「目標……。60歳になったら考えましょう(笑)。ただ、いまの年齢の自分でどういう役ができるのかは、いつも考えていたいですね」
もう気負いはない。今は演じることが、ただ楽しいのだ。
おぎしげみつ
1961年11月28日生まれ 福井県出身 「一世風靡セピア」のリーダーとして活躍後、本格的に俳優活動を開始。現在、ドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)に出演中。主演映画『恋する男』(村田信男監督)が、7月25日から8月7日まで東京都写真美術館ホールで公開される
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(週刊FLASH 2020年7月28日・8月4日号)