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名曲散歩/清水健太郎『失恋レストラン』ドラムは高橋幸宏が担当

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.09.13 16:00FLASH編集部

名曲散歩/清水健太郎『失恋レストラン』ドラムは高橋幸宏が担当

 

 東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。

 

お客さん:お、このイントロは清水健太郎のデビュー曲『失恋レストラン』。「涙忘れるカクテル」ってどんな味なのかなあ。

 

 

マスター:1977年のレコード大賞最優秀新人賞を受賞したこの歌、作詞作曲したのは……。

 

お客さん:たしか、つのだ☆ひろだよね!

 

マスター:そうそう、当時、☆はついてなかったけどね。ただ、この曲が完成するまでは大変だったそうだよ。

 

お客さん:大変っていうのは?

 

マスター:清水健太郎の所属事務所の社長に「リーゼントと革ジャンでデビューさせたい新人がいるから、ロックンロールを書いてくれ」と依頼されたんだ。でも、何度かいてもNGの連発。

 

お客さん:何が正解か、わからなくなるね。

 

マスター:しかも、その事務所は、つのだ☆ひろだけじゃなくて、デビュー間もない中島みゆき、『お久しぶりね』の作詞・作曲で知られる杉本真人の3人にそれぞれ依頼して、「みゆきはこんないい歌をかけるのに、なぜ、お前は書けない!」という追い込み方をしたらしいよ。

 

お客さん:つらいなあ。

 

マスター:のちに中島みゆきに聞いたところ、「つのだ☆ひろはこんないい曲が書けるのになぜお前は書けない?」と、こちらも追い込まれていたという。

 

お客さん:3人をぐるぐる追い込んでいたんだ……その社長は策士だね!

 

マスター:結局、ネタが尽きてしまったつのだ☆ひろは、ヤケクソでポップスを書いて持っていったら、意外や意外「いいじゃない!」となった。

 

お客さん:あれっ、ロックじゃなかったの?

 

マスター:社長いわく「新人なんて曲に合わせりゃいいんだよ!」ってことだそうだ。

 

お客さん:いかにも昭和の芸能事務所だねえ!

 

マスター:ところで、この曲のドラムを担当したのは意外な人なんだけど、誰か知ってる?

 

お客さん:つのだ☆ひろ自身じゃないの?

 

マスター:つのだ☆ひろは総合的にプロデュースすることになり、ドラムを依頼したのは、なんと、あの高橋幸宏だったという。

 

お客さん:すげー! 今度はドラムに注目して聞いてみよう!

 

 おっ、次の曲は……。

 


文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中

 

参考:TOKYOMX『ミュージック・モア』(2020年7月10日)

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