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本宮泰風×山口祥行「Vシネマ対談」町の交番でゲリラ撮影

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.18 16:00 最終更新日:2020.09.18 16:00

本宮泰風×山口祥行「Vシネマ対談」町の交番でゲリラ撮影

左から本宮、山口

 

 人事抗争、男の嫉妬、そして出世争い……。ソフト販売やレンタルを主戦場に、多くが任侠・ヤクザの世界を描く「Vシネマ」が、ネット配信隆盛の波に乗り、再び人気を呼んでいる。第一線で活躍する役者の2人、同級生の本宮泰風(48)と山口祥行(49)が、その魅力を語り尽くす!

 

 

本宮「ヤマ(山口)とは高校は違うんですけど、よく一緒に渋谷で遊んでました。まわりは不良しかいなくて」

 

山口「そのころのことは、話せる内容じゃないんで(笑)」

 

 2人の不良少年が任侠団体幹部に上り詰めるストーリーの『日本統一』。W主演を務める本宮と山口には、作品を地でいく長く濃いつき合いがあった。

 

山口「俺が演じる田村悠人は、粗暴でケンカっ早く、すぐに飛び出していく。いわば総務部で、“なんでも屋” みたいな仕事ばかりやらされているタイプです。泰風の役柄(氷室蓮司)は、いわば副社長ですね」

 

本宮「たとえば、サラリーマンでも同期で入社して、そこから差が出てきたりすることもあるじゃないですか。『統一』でも、出会いや巡り合わせで、どんどん立場が変わっていきます。

 

 序盤では氷室は田村に『アニキ』って呼ばれてますが、その後2人は、『座布団(役職、ポジション)』を超えた間柄になっていきます」

 

山口「初めは、僕らのサクセスストーリーだったんですが、次第に、氷室を中心に話を作るようになったんです。そして、人としての道徳とか人間力の要素も、入れられるようになってきましたね」

 

本宮「表の世界にも、いい奴もいれば悪い奴もいるし、裏の世界でも同じだと思うんです。それを描きやすいのが、アウトローの世界だということです」

 

『日本統一』より/販売・オールインエンタテインメント

 

山口「テレビや映画だと、アウトローを演じるのも難しくなってきました。最近は、『タバコは吸わないでくれ』とか言われますから」

 

本宮「僕らの世界では制約が少ないぶん、役者にまかせられている部分が大きいので、やりがいがあるというか、やらざるを得ないんです」

 

山口「予算はないですけどね。札幌のすすきのロケだと、東京の役者は2人。あとは北海道の役者で、出たい人が出るという感じです(笑)」

 

本宮「沖縄だと、監督、カメラマン、役者の3~4人。僕なんか前日入りして、自分でロケハンしました」

 

山口「慣れって恐ろしいもんだよね(笑)」

 

本宮「ビジネスとしてもシビアです。『統一』も長く続いていますけど、数字が落ちれば終わるんですよ」

 

山口「やっぱり、小沢(仁志)さんの存在は大きいですね。今、Vシネを作っているのはオールインエンタテインメントさん1社だけ。そこの顔ですからね、小沢さんは」

 

本宮「スポンサーを見つけてきて、ぜんぶ自分でやってしまう。僕らはそういうタイプの役者じゃないんで、よく怒られていますね」

 

山口「『顔面凶器』と言われてますけど、俺は『空手家の拳みたいな顔』と言っています(笑)。でも、小沢さんの切り口とか、監督としてのカット割りのセンスとか、天才的なところがあります。ついていきたくなるんですよね」

 

本宮「無茶やらせますけどね。ずっと昔、『交番行って、道聞いて出てこい』と言われて。遠くからそれを撮っていて、犯人が捕まって交番で絞られて出てきたみたいなシーンになるわけですよ(笑)」

 

 取材した日は、奇しくも山口の誕生日だった。本宮はサプライズで、いちごのショートケーキを用意していた。

 

山口「(照れくさそうに)いい年して、普通こんなことやらないだろ(笑)」

 

 映像での強面とは、別の顔があらわれた。

 


もとみややすかぜ
1972年生まれ 東京都出身 1994年デビュー。妻はタレントの松本明子

 

やまぐちよしゆき
1971年生まれ 東京都出身 ジャパンアクションクラブを経て1986年デビュー

 

※小沢、本宮、山口が出演する映画『TOKYO ドラゴン飯店』が大阪・シアターセブンにて9月26日(土)より、神戸三宮シアターにて10月4日(日)より公開予定

 

取材協力/インタビュアー・谷岡雅樹(Vシネマ評論家、ノンフィクション作家)

 

(週刊FLASH 2020年9月15日号)

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