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岸部四郎さん「レーシック手術で視力低下」を後悔していた

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.25 16:00 最終更新日:2020.09.25 16:00

岸部四郎さん「レーシック手術で視力低下」を後悔していた

岸部さんは独特の風貌と京都弁で、ドラマでは強い存在感を残した

 

『ルックルックこんにちは』(日本テレビ系)の司会や、ドラマ『西遊記』(同前)の沙悟浄役で知られるタレントの岸部四郎(岸部シロー)さんが、8月28日に亡くなっていたことが、9月15日に発表された。71歳だった。

 

 岸部さんは、ザ・タイガースのメンバーを経て俳優へ。1984年10月から、1998年4月6日に自主降板するまで、13年半にわたって『ルックルックこんにちは』の司会を務めた。

 

 

 自主降板の理由は、知人の連帯保証人となったことや、自身の財テク失敗、浪費癖などが原因で抱えた総額5億2000万円の負債だった。返済に窮した岸部さんは、東京地裁に自己破産を申し立てて、所属事務所も解雇された。

 

 そうした経緯から、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)に出演した際には、「俺を誰や思てんねん、『元金持ち』やぞっ!」と叫ぶ自虐的なキャラクターを確立。2001年以降は、ドラマや映画に出演して復活の兆しを見せていたが、2003年に脳内出血で倒れ、後遺症で視野狭窄を患った。

 

 さらには、2007年に再婚した妻が43歳で急死する不幸も続き、2009年には体の自由がきかなくなって、入院していたという。

 

 一部報道では、『ルック~』のギャラは月200万円だったとも報じられている岸部さん。だが、2008年から2009年にかけて『週刊実話』で連載していた「岸部四郎の無責任人生相談 僕に聞いてどうすんの?」では、リストラされて新しい仕事が見つからないという読者からの相談に、こんな発言をしている。

 

「昔は、僕らみたいのでも結構もらってたのよ。僕も『ルック~』の後期のころなんて、毎月、1000万円前後もらってたからね」

 

 当時、この連載を担当していた記者が語る。

 

「連載開始時、岸部さんは59歳。そのころ、すでに体調がよくなかった岸部さんは、『いつ何があってもいいように』と、お姉さんの家の近くに一軒家を借りて住んでおられました。

 

 取材中は、休憩を挟みながら進めることも多く、視野狭窄のせいで歩くときに足元がおぼつかず、見ていてとても気の毒でした。飼い犬の散歩も、業者に任せていて。『犬のために、新たな飼い主を探したい』と言ってましたね」

 

 約2年間、75回続いた連載の中で、岸部さんはさまざまなエピソードを披露してくれたという。

 

「岸部さんは若いころから、お酒もタバコもギャンブルもやらなかったそうですが、とにかく牛肉のステーキが大好物で。ご自宅近くの『レッドロブスター』で取材することが多く、いつも肉しか頼んでいませんでした(笑)。

 

 読者への回答が、自分のぼやきになってることも多く、それが独特な味わいを生んでいました。レーシック手術が登場したわりと早い段階で、『安くやれるから』と言われて安易に手術を受けたそうで、『それ以来、余計に見えづらくなった。後悔している』と言っておられたのが印象に残っています」

 

 視力低下の原因がレーシック手術の失敗であることを、周囲には、ほとんど伝えていなかった岸部さんだが、影響は小さくなかったという。「精力の衰えで悩んでます」という相談にも、ひとぼやき。

 

「僕は目が悪くなってから車に乗れなくなっちゃったけど、車もあって、お金もあったら、出会い系とかやってるかもしれんね。ついつい、そういう禁断のボタンを押しちゃうほうだから。

 

(今の僕は)仮にソープランドに行ったとしても、心臓がドキドキして倒れちゃうから。ソープから救急車で運ばれるっちゅうのは、さすがに僕も経験はしたくないなぁ」

 

 笑いにまぶしてはいたが、車に乗れないほどの視力低下は大変なものだろう。だが、岸部さんはいつも前向きで明るかった。

 

 別の回では「行きつけの喫茶店の女性店員に惚れてしまった」という相談に、こうアドバイスをしていた。

 

「思い切って誘ってみりゃあいいのよ。成功すれば、自分のものになるワケだから。僕なんか、食堂でもレストランでも行きつけのお店に可愛いコがいたりすると、ちょいちょい誘ってたもの」

 

 一方で、先立たれた奥さんとのこんな秘話も披露してくれた。

 

「奥さんとは、行きつけのブティックで知り合ったんだけど、初めて会ったその日に食事に誘ったわ。どんな風に誘ったかって? まず、店長の許可を取ったワケ。『あのコ、誘っていいですか?』っちゅうてね。それで、夜中までやってる寿司屋に連れていったんだよね。

 

 本来は、店長も誘わないかんのやけど、僕の車は残念ながら、2人しか乗れなかったから。まぁ、そういうとき都合のいいように、2人乗りにしてたってのもあるんだけどね(笑)」

 

 晩年は闘病生活で、表舞台から遠ざかっていた岸部さん。栄光から挫折まで、じつに波瀾万丈な人生だったが、今頃は天国で妻との再会を喜んでいるだろうか。

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