ニシダは大学退学後もサークルには通い続け、コンビは継続した。1年間の「本当に何もしていない」ニート生活を経て、なぜか復学した。
ニシダ「必修以外は、けっこう単位取ってたんで余裕だと思ってたら、復学した場合には2年間で取るべき単位が決まってまして、また退学。あれは大学の罠ですよ!」
サーヤ「ニシダは、『なんで、先生は言ってくれないんだ!』って怒ってましたけど、その姿勢・考え方が、2度の退学の原因というか(笑)。大人ですからね、年齢的には」
ニシダ「やめたとき、25歳でした」
一方のサーヤは、ストレートで卒業して就職も決めた。
サーヤ「お笑いは続けようと思ってて、でも実家にもお金を入れなきゃいけない事情があったんですよ。それで、ベンチャー系企業を狙って就職試験を受けてたんです。
面接で、『お笑いの活動がしたいんです』ってジャブを打ったら、おもしろがってもらえて、スルッと入れました。しかも部長さんがお笑い好きで、『どんどん有給取れ』『ライブやれ、場数を踏め』って……もうマネージャーですよね(笑)。
それで自由に芸人活動してたら、有給じゃ足りなくなってきたので『やめたい』と言ったら、部長が大喜びしちゃって。『俺が育てた!』って言いたいんですよ、きっと。今は転職しまして、広告の会社で、ラジオアプリの広報、SNS周りとかを担当してます」
ニシダ「当時、僕は大学生だったので、彼女の仕事が終わるまで、ただ待ってる(笑)。時間がありすぎて、毎日、市ヶ谷の釣り堀にいました。収入も、ほとんどなかったし」
コンビ内の格差がどんどん広がっているが、ニシダは、どうやって今まで生きてきたのだろうか。
ニシダ「実家暮らしでしたから。お小遣いは……も、もらってなかったです。まあ、もらってたこともあるんですけど」
サーヤ「今は?」
ニシダ「今は……親とほぼ関係が破綻したんですよ。もとから仲よくなかったんですけど、今はMAXで仲悪くて、後輩の家に転がり込んでます」
若手芸人によくある、「芸人の後輩と一緒に住んでいる」ということかと思いきや……。
ニシダ「探偵です(爆笑)。大学の後輩なんですけど。 」
サーヤ「探偵事務所に勤めてて、浮気調査ばっかりしてます。血眼でカーセックスの写真を撮ろうとしてるよね」
ニシダ「ホテルは、“入り” と “出” と、両方の写真が必要なんですって。カーセックスなら、完全な証拠になるから一発で仕事終わると。まあ、そいつのところで居候です。何もしてないです」
サーヤ「普通、芸人は売れなくても、バイトしながら泥臭く頑張ってるからカッコいいんですけど、泥臭くもないし……。時間があるならお笑いのネタを考えるとか、役に立つことをすればいいのに、ただただ時間を潰してるだけなんです」
紆余曲折はありつつ、軽やかに芸人活動を続けてきたラランド。テレビにも多く出演するようになった2020年9月、後に「伝説回」と呼ばれる『アメトーーク!!』の収録を迎える。
(次回に続く)
ららんど
2014年、上智大学の同級生だったサーヤ(ボケ、現在は現役OL)とニシダ(ツッコミ、現在はニート)によりコンビ結成。事務所に所属していない、フリー芸人。コンビ名の由来は、地球から8.21光年の距離にある恒星「ラランド21185」から。9月29日よりTBSラジオにて、初の冠番組『ラランド・ツキの兎』(火曜21時30分~22時)が始まる。最新情報は、公式サイトをチェック