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とよた真帆、女優の原点は「兄が撮った8ミリの自主映画」

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.10.05 20:00FLASH編集部

とよた真帆、女優の原点は「兄が撮った8ミリの自主映画」

 

 すらりとした体躯をかがめて、女優は東京・目黒の古びた飲食店ビルの地下にある店に入り、慣れた様子で席についた。すべての動作がしなやかで、もともとはモデルだったのも、うなずける。

 

 ただ、彼女の立ち居振舞いとは相反するように、店内は男くさい。壁には矢沢永吉のポスターやグッズが、奥には松田優作さんのカレンダーがバラして貼ってある。BGMも、永ちゃん(矢沢永吉)だ。

 

 

 その店は、とよた真帆(53)の数年来の行きつけ、「羊や カブト 本店」。ジンギスカンをはじめ、ラムのしゃぶしゃぶ・すき焼きも楽しめる、羊肉好きにとっては、たまらない店だ。

 

「初めて来たのは、この店に支店ができたあとなので……ねえ、マサさん(店長の名)、もう何年前かしら? 8年以上前? だそうです(笑)。オーナーのアキラさんが、店の前に立っててね。いまと違って、ドレッドヘアで怪しい感じがして、気になって仕方なかったんです」

 

 とよたは店との“馴れ初め”を、楽しげに振り返る。店には、ひとりカラオケをした帰り、ふらっと立ち寄ったという。

 

「上の階の(カラオケボックスの)コート・ダジュールに、いまでも時々通っていて、ボイストレーニングも兼ねて歌い、ストレス発散をしているんです。一生懸命歌うと、おなかも減るから、『何か食べていこう』と下まで来ると、アキラさんと出会ってしまった」

 

 以降、それまであまり食べなかった羊肉に開眼。カウンターがあるので、ひとりでも立ち寄りやすく、現に1人前から注文できる。

 

 しゃぶしゃぶは、昆布と羊のテールで取った出汁に、たっぷりの野菜を入れ、まずは刺身でも食べられる北海ダコを浸してポン酢で味わう。それから、ラムを投入。北海道の「ベル」のジンギスカンたれをポン酢で割ると、ラムとの抜群の調和が生まれる。

 

 〆は、タコとラムの旨味が溶け込んだスープと西山製麺の麺でラーメンを作ってもらう。

 

「量の調節が利くのがよくて、ラムが柔らかい。夫婦でも、お友達とも来ます。そんなときは、しゃぶしゃぶのあと、ジンギスカンまでがセット」

 

 ラムは、低脂肪で高タンパク。自身で健康レシピ本を出し、料理には一家言ある彼女が、ここまでハマるラムしゃぶは、なるほど、出汁の風味がよそとは違う。たれも、ほんの少し絡めるだけで、美味しくいただける。

 

「ほら、こうやってお肉で巻くと、野菜もたくさん食べられる。カラオケは、意外と体力を使います。私の影響で、お友達にもカラオケにハマった人がいて。その方にも指導してあげられるくらいには、歌い込んでますよ。

 

 レパートリーは幅広くて、越路吹雪さんに浅川マキさん、ちあきなおみさん。メンズの歌も、けっこう得意。キングヌーやサチモス、そして秦基博さんは、だいたい歌えます」

 

 ボイトレは舞台のためでもあったが、浅川マキさんに関しては、夫で映画監督の青山真治氏からのリクエストがあった。

 

「あるとき、家で書き物をしていた主人が突然、『ちょっと、これ歌ってみてよ』と言ってきたのが『セント・ジェームス病院』という、浅川さんが日本語詞をつけたブルース。

 

 歌ってみると、『この歌を歌える女優がいたのか! 結婚10年めにして初めて聴いた』と驚かれたんです。それでカラオケにも目覚めてしまって(笑)」

 

 青山氏は、浅川さんの半生の映画化を目論みシナリオも書いたが、いまだ実現に漕ぎ着けていない。しかし妻の思わぬ才能が、そこで開花した。

 

「私がレッスンした方が、『Myマイクをなくした』って大騒ぎをして、代わりを買ったんですけど、あとで見つかって。だから、『余ったのをあげるよ』って、もらったのがこれなんです」

 

 とよたはバッグからマイクを、おもむろに取り出した。これが、見事に金ぴかなのだ。

 

「すごいでしょ。カラオケ館で3万いくらかで買ったそうです(笑)。その方は歌に自信がなく、職場でカラオケにつき合わされるのが苦痛だったそうで、私が『十八番が2曲あれば、人生乗り越えられる』とアドバイスしたら、そのとおりになったと、感謝の意味でマイクもくださったんです」

 

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