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とよた真帆、女優の原点は「兄が撮った8ミリの自主映画」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.05 20:00 最終更新日:2020.10.05 20:00
とよたは小学校から学習院に通い、お嬢さま育ちだと、よくいわれる。父は大手広告代理店に勤め、20代で部長にもなったが、起業した会社が倒産し、家を出た。以後、父が銀座に残したバーを母が切り盛りし、とよたや兄姉を育てた。
「母は浅草育ちの江戸っ子で、細かいことにこだわらない性格。そんな人柄に惹かれ、バーには著名な作家の方々も、常連でいらしてました。20年前に出した緊縛写真集(『ambient M』[ぶんか社])の解説文を書いていただいた、浅田次郎先生も、そのひとりです」
そんな母の苦労を見て、とよたは「一刻も早く独立したい」と考えていた。高校在学中にモデルのオーディションを受けたのも、「当時の自分でも働ける」のが理由だった。
「中学では演劇部でしたが、見る間に身長が伸び、150cmから173cmになってしまいました。女優を目指すより、モデルのほうが現実的だったんです。でも、いろんなお仕事をいただくうちに好奇心が湧いて、自然に女優への道が開かれていったんでしょうね。
また、10歳上の兄が映画好きで、毎週劇場に連れていってくれました。最初に記憶にあるのが、『カッコーの巣の上で』(1976年)。なぜ、あんな深刻な作品を小学生に見せたのか(笑)。
兄は高校で自主映画を作っていて、家には私が映った8ミリフィルムも残されています。それも女優になる、きっかけだったのかなと思います。その後、兄は日大藝術学部の映画学科に進み、いまでは映像プロデューサーとなり、兄が制作した番組に、私も出ました」
母ゆずりのおおらかさ、父や兄ゆずりの創造性が溶け合い、多趣味で何にでも挑む、とよたの人間性が育まれた。週2回、ひとりカラオケに通うのも、凝り性ゆえだ。
「音域をどう広げるか、(地声と裏声を合わせた)ミックスボイスの出し方など、わりと研究家タイプなんです。
昔から吉田美奈子さんのファンで、お手本にもしています。ライブはかぶりつきで聴いてるし、CDは並んで買ってサインをもらうほどです(笑)」
昨今のシティポップリバイバルの談義にニマニマしながら、ラムを口へ。次の挑戦に向け、その瞳はひっそりと輝いていた。
とよたまほ
1967年7月6日生まれ 東京都出身 高校在学中にモデルデビューし、パリコレクションなどに出演。1989年、女優デビュー。以降多数のドラマや映画、舞台などに出演。芸術に造詣が深く、絵画の個展を開いたり、京友禅の絵師として着物のデザインを手がける。bayfm『SATURDAY BRACING MORNING』(毎週土曜朝8時)のパーソナリティを務める。インスタグラム(@maho_toyota)も更新中
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取材&文・鈴木隆祐
写真・野澤亘伸
(週刊FLASH 2020年9月29日・10月6日号)