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オンリーワンの男たち/香りで世界を変える男、次なる野望は

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.10.09 16:00FLASH編集部

オンリーワンの男たち/香りで世界を変える男、次なる野望は

石坂将

 

 輸入品しかなかったフレグランス(香水)の世界で、日本初のフレグランスメーカーを起業した男がいる。「セントネーションズ」の石坂将だ。国内はもちろん、すでに海外でも高い評価を得ている。「仕事は自分を広げる最良のツール」と語る石坂は、どうして香水の道に入ったのか。

 

 石坂は1982年、東京都港区で生まれた。上に7歳離れた兄がいる。父親は音楽業界の大物で、ほとんど家にいなかったため、兄が父親がわりとなった。

 

 石坂が幼稚園のとき、兄がイギリスに留学した。久しぶりに帰国した兄が、お土産に香水を買ってきた。

 

「夏休みの終わりで、それはネロリ(橙花油)の香りでした。なぜ香水だったのかはわかりません。けれどその香りを嗅ぐと、大好きな兄とつながっていられると感じました」

 

幼少期

 

 石坂は中学・高校・大学と学習院で学んだが、高校時代からずいぶん繁華街で遊んだ。

 

「思春期って視野が狭いですよね。ただ芸能には興味があったので、俳優のオーディションを受けたりしました」

 

 高校3年のときには4本の映画に出演するなど、それなりに順調だったが、裏側が見えてくるとイヤになってやめてしまった。そしてハマったのがサーフィンだった。

 

高校時代

 

 遊び回っていたとはいえ、学習院で育ったことは、石坂にある種の精神性を植えつけた。
「学習院は、いい意味で世間とのイメージにギャップがあるんです。実際の校風は自由闊達で、徹底して独立自尊を評価します。創立者・乃木希典の『精神的貴族であれ』というスピリットは僕にも生きています」

 

 大学を卒業後、イギリスのランカスター大学院で国際政治を専攻した。帰国後、仕事は「何でもいいかな」と思い、香水を扱う商社に就職する。

 

「やっぱり香水が好きだし、実際に昔から使っていて、自分のなかで適性を見出した感じでした」

 

 2006年から2011年までその会社で働き、2012年、日本初の香水メーカー「セントネーションズ」を起業する。9年目の今年、国内直営店は5店舗、フランチャイズ5店舗、世界12カ国へ輸出している。中国では上海伊勢丹をはじめ400店舗を展開中だ。さらに11月にはベトナム、イギリスで新規展開が決定している。

 

中国での講演会

 

 石坂は柑橘系の調香を強みにしている。

 

「世界を見回したときに、シトラスを細分化したコレクションを出しているブランドってないんですよ。自分の最初のフレグランスだった、兄からもらったネロリもシトラスですし。思い入れはありますね。

 

 それと、柑橘系の香りは比較的日本人にも好まれると思います。お吸い物に添えられたゆずのように、日本人の食や香りの嗜好とつながっていると思います」

 

 石坂のもとにはフランス人と日本人の調香師がおり、彼らと協働で新しい香りを生み出す。マーケットリサーチはせず、感覚だけで作るのだという。

 

「香りは芸術で、文字になっていない情報です。そして使用する人のパーソナリティーになるもの。制作するときは自分の直感で進みます。もちろん、さっきまで会社の帳簿を見ていたのに、いきなり『はい、香り作りましょう』っていうのはできないです。アート作品、映画や絵画を見たりして、自分を香水モードにシフトさせてから取りかかります」

 

 日本ではどうしても「言わなくてもわかるよね」「それは当たり前だよね」という意識が先行しやすい。だが、そうした曖昧さをしっかり排除することが大切だという。

 

「厳しい言い方ですが、バカに香りは作れないんです。バカってなんだって聞かれれば、それは人とコミュニケーションが取れない人です。

 

 僕が『夏の香り』といってイメージするものと、調香師がイメージするものは当然違います。それをコミュニケーションを通して共通項を少しずつ確認してゆく。そのために、相互理解の努力とコミュニケーション能力が必要なんです。それはどんなビジネスにも、人間関係にも当てはまることです」

 

ニューヨークの展示会

 

 はたから見れば順調に見えるセントネーションズの経営だが、起業当初は、朝起きるのが苦痛な時期もあった。

 

「1年目、当時は自分でトラックを運転して納品したり、なんでも自分でやっていたんですが、あるプロジェクトがうまくまとめられなかったことがあったんです。

 

 もう毎日が苦しくてしょうがない。朝起きるのもイヤなんですけど、『絶対に逃げない、最後まで全力を出し続ける。俺はそういう男だ』って言い聞かせて耐えました。今となってはいい思い出です」

 

 そんな経験もあり、社員に対して基本的に助け舟を出さない姿勢を貫いてきた。社員にも自力で状況を突破して学んでほしいからだ。

 

「会社にも多少なりのゆとりが出てきて、自分の会社が社会で何をできるのか、次の世代に何を残せるのかを考えています。どんな場面でも、それこそ災害が起きても、うちの社員なら大丈夫っていうくらい、しっかり自分の足で立って、人を助けられるような人材を育成したい」

 

 海外進出などで多忙な日々を過ごす石坂だが、実は大きな夢がある。

 

「昔から映画を作ってみたいと思ってたんです。もう脚本もできている(笑)。やっぱり映画って、いろんな意味で総合芸術だと思うし、そこで自分の能力を思う存分発揮して、また新しいフィールドで成長したいって思います」

 

 学習院時代から石坂に埋め込まれた「独立自尊」の気概。それは、人が自由に生きるために、最低限必要なポリシーだ。その思いを胸に、石坂は次なる世界を広げていく。

 

取材・文/岩崎桃子
 浅草生まれのアートディレクター。高校時代からドキュメンタリー制作、モデルなどで活躍。コロンビア大学留学後、外資の金融機関で働く。海外写真家の仕事を手伝ううち、アートの世界にシフト。プロデューサーとして、写真集『edo』をドイツで出版

 

撮影/ピーター・クック

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