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名曲散歩/郷ひろみ&樹木希林『お化けのロック』 イヒッヒの秘密

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.10.11 16:00FLASH編集部

名曲散歩/郷ひろみ&樹木希林『お化けのロック』 イヒッヒの秘密

 

 東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。

 

お客さん:お、このイントロは、郷ひろみ樹木希林の『お化けのロック』。楽しくてウキウキする音楽だよね。

 

 

マスター:1977年、TBSドラマ『ムー』のなかの挿入歌だね。『時間ですよ』や『寺内貫太郎一家』などを手がけた久世光彦の演出作品で、郷ひろみと樹木希林の掛け合いがまた面白かった。

 

お客さん:主演は伊東四朗、脇を固めたのが由利徹、伴淳三郎、左とん平、面白いに決まってる!

 

マスター:郷ひろみのソロ曲『帰郷』とダブルタイトルで発売し、大ヒットした。この『お化けのロック』は、阿木燿子・宇崎竜童の夫婦コンビが作った曲。実は、作詞の阿木燿子は歌の中にいろんな仕掛けを作る人なんだよね。

 

お客さん:仕掛け?

 

マスター:歌詞の中に「イヒッヒ ヒーヒヒ イヒイヒ」ってあるでしょ。これが仕掛けなんだ。

 

お客さん:どこが?

 

マスター:「イ」と「ヒ」、よーくみてみよう。

 

お客さん:あっ!「お化け」の「化」という字を分解してる。

 

マスター:正解! 阿木燿子はこんな仕掛けを作る名人で、有名なところでは山口百恵の『美・サイレント』。歌詞の一部をあえて伏せ字にして口パクで歌わせるとか…。

 

お客さん:あれは意味深だった。

 

マスター:キャンディーズの最後のシングル『微笑がえし』には、『春一番』『わな』『やさしい悪魔』『アン・ドゥ・トロワ』などなど、これまで歌った曲のタイトルを詰め込む粋な演出を仕掛けた。

 

お客さん:僕たちはそんな楽しい仕掛けにまんまとハマっていたんだね。

 

 おっ、次の曲は……。

 

文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中

 

参考:TOKYO MX『ミュージック・モア』(2020年2月15日)

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