エンタメ・アイドル
『鬼滅の刃』と『半沢直樹』超ヒット作の共通点は「パワハラ上司」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.10.24 06:00 最終更新日:2020.10.24 06:31
コミックスの累計発行部数は1億部超え。アニメも大ヒットし、社会現象になっているのが『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴原作・集英社ジャンプコミックス)だ。10月16日からは劇場版が公開中で、人気のあまり、1日に計40回以上の上映をおこなう映画館もあるほど。
【関連記事:ハライチ岩井、松本人志と飲んで『鬼滅の刃』で盛り上がる】
「ひと言で言うなら、心が震えてキュンとなる作品です」
そう作品の感想を述べるのは、叶姉妹の妹・叶美香だ。
「もともと私はマンガが好きで、新しい作品で気になるものは、つねに読んでおります。『鬼滅の刃』は、最初に読んだ瞬間から、『もっと読みたい』と感じる作品でした。さらにアニメを拝見して、『呼吸』や技が、とてもきれいに表現されていて。今度の映画も、本当に楽しみです」
自身のインスタやブログでは、姉・恭子のプロデュースにより、『鬼滅の刃』のキャラコスプレを趣味で披露。SNSなどで大絶賛されている。
「どのキャラがいちばん好きかなんて、とても選べません。読めば読むほど、それぞれのキャラが、どんどん好きになっていきます」
読んだことがないという方のために、内容を紹介しよう。舞台は大正時代。主人公の炭治郎は家族を鬼に殺され、唯一、生き残った妹の禰豆子(ねずこ)までも鬼にされてしまう。鬼の主食は人間で、その強さは食った人間の数で決まる。
愛する妹を、そんな存在にしたくない炭治郎は、禰豆子を人間に戻すことを誓って修行に励み、鬼を狩る組織「鬼殺隊」の一員となる……。「呼吸」と呼ばれる、各自の流派に基づいた技で闘う剣士たちの活躍と、主人公の成長が作品のテーマだ。
『鬼滅の刃』について、同じく日本中を熱狂させたある作品を連想させる、と語るのは、コラムニストのペリー荻野氏。
「『鬼滅の刃』のおもしろさの基本は、弱い者が信念を貫いて闘い、巨悪を滅ぼす点です。このシンプルな構図は、ドラマの王道。あの『半沢直樹』と同じです。大人が読んでも、響く点が多いのでは」
メガバンクの驕りと腐敗をひとりのバンカーが暴く『半沢直樹』は、最終回の総合視聴率が44.1%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録した。『鬼滅の刃』もこのドラマ同様、大正時代が舞台にもかかわらず、現代社会を的確に描いているシーンが多いという。
「すべての鬼の支配者である鬼舞辻無惨は、少しでも意見する手下を容赦なく殺してしまいます。いわば、究極のパワハラ上司です」(ペリー氏・以下同)
作中の鬼は、もとは人間だったが、なんらかの理由で社会からはみ出し、鬼として生きていかざるを得なくなった者たちという設定だ。行き場を失った者たちを徹底的に痛めつける理不尽さは、ブラック企業を彷彿とさせる。
「また、鬼殺隊における同期や先輩などとの関係は、現代の会社組織と似ています。最初は下っ端だった炭治郎ですが、危機に見舞われるたび、同期や信頼のおける先輩たちに助けられていきます」
『半沢直樹』も、同期の仲間との結束や頭取の協力なくしては、主人公の「倍返し」は成功しなかった。
「半沢直樹は、土下座させることで相手の心を折ってきました。炭治郎たちが刀で鬼の首を斬る行為は、これに似ています。子供たちもこの作品を通じ、大人の社会や悲喜こもごもを垣間見て、勉強しているのではないでしょうか」
「半沢ロス」のサラリーマンこそ、手に取るべき作品かもしれない!
(週刊FLASH 2020年11月3日号)