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横山剣『タイガー&ドラゴン』秘話「“ものまね”を正式採用」

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.10.28 11:00FLASH編集部

横山剣『タイガー&ドラゴン』秘話「“ものまね”を正式採用」

 

「ここは、僕が長年敬愛するシンガー・CHIBOWさん(SKA-9)のお店で、本牧の不良文化の発信基地。クルマやバイク、ファッション、音楽が好きな人たちの溜まり場で、前身の『ゴールドラッシュ』から通い続けて40年近くになります」

 

 

 横浜の本牧通り沿いにある老舗アメリカンダイナー「ブギーカフェ」。同店の看板メニュー「本牧チャウメン」は、クレイジーケンバンド(以下、CKB)のボーカル・横山剣(60)のソウルフードだ。

 

「大好物で、家族みんな大好きです。ハワイのドライブインにあるような、炒めた麺(チャウメン)がベースになっていて、なんともエキゾチックな味がクセになるんです」

 

 ドリンクは、「バヤリースオレンジ」をオーダー。いつもテーブル席のいちばん奥に座るという。店の前を、1970年代製のアメ車が横切っていく。本牧では、日常的な光景だ。

 

「小学5年生のとき、ロスのリトルトーキョーで食べたうどんに衝撃を受けました。エキゾチックを超越した、“ありがたいまずさ”というか。アメリカ人の、へんな解釈のうどんだったんです。数年後にまた食べたくなって、ロスへ行って『まずい! 間違ってる!』って思いつつ食べる(笑)。

 

 みんなが『まずい』と言うのなら、どれだけまずいのか、試食したくなる。『あそこのラーメンは、ぬるくてまずい』って聞くと、どれだけぬるいのか体験したい。好奇心が旺盛なので、みんなが嫌がるものを味わってみたいと思うんです」

 

 焼き肉だと、上カルビよりも並のカルビ。大トロより中トロ。カレーなら中華カレー。万事が、この調子だ。

 

「好奇心と違和感ですね。車でいうと、アメ車、イタ車も好きだけど、もっと好きなのが、ダメ車(ダメな車の略)。なんの変哲もない低グレードの大衆車でも、乗り方とか、考え方のセンスひとつでカッコよく見えちゃう。ダメ車にしか出せない色気もあるんです」

 

 高級素材を使う料理に興味がないのかというと、そうではないそうだ。

 

「大は小を兼ねる、で。変わっていると思われたくないテンションのときは、平均的なものに埋もれます。みんなで食べると美味しいね、みたいな。そういった感覚もありますが、ひとりの世界でいられるときは、好奇心で動きます。けっして、ほかの人を巻き込みません」

 

 一般的な価値観と、独特の嗜好が入り交じったスタンスこそが、横山剣の魅力だ。それは、CKBの音楽にも通じている。

 

 横山剣は1981年、「クールスR.C.」に加入し、メジャーデビュー。その後、バンドを作っては解散し、作曲に専念していた時期もあった。37歳のとき、CKBを結成。メンバー全員、バンドとは別に、仕事を持っていた。

 

「仕事は腰掛けではなく、みんな本気でやっていました。20代のときに、メンバーそれぞれ、メジャーデビューなどを経験して、何がよくて、何が楽しいか、わかっていたんです。

 

 だから、自分たちが自分たちのバンドのパトロンになって、金銭的に支援しようと。ドラムのバンマス(廣石恵一)が、『日本一のアマチュアバンドになろう』と言ったので、それに従ったんです。とにかく好きな音楽をやりたいという仲間が集まりました」

 

 2005年、シングル『タイガー&ドラゴン』が大ヒットを記録。同名のドラマの主題歌に採用されたことで、一躍、全国区となった。

 

「横浜から横須賀に向かって、国道16号線をドライブしていて、最後のトンネルを抜けると港が見えるんですけど、そのとき、『タイガー&ドラゴン』そのまんまの歌詞とメロディが出てきたんです。間奏前の『ハッ!』まで含めて、頭の中で歌っていたのは、和田アキ子さんだったんです」

 

 歌の中に「ハッ!」と入れるだけで、誰もが和田アキ子の歌声を連想するものだが……。

 

「じつは、レコーディングのとき、仮歌でアッコさんのものまねをして歌ったんです。そのあと、本チャンで自分の歌い方で歌ってみたら、ちっともよくなかった。なので、仮歌を本チャンとして採用することになったんです。歌い方は、アッコさん8割、矢沢永吉さんが2割です」

 

 ものまねをした仮歌がリリースされるのは、かなりのレアケースだが……。「禁じ手」がないのは、CKBの最大の特徴でもある。

 

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