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堀江貴文、エストニアで考える/なぜ世界に冠たるIT化が実現したのか

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.11.30 16:00FLASH編集部

堀江貴文、エストニアで考える/なぜ世界に冠たるIT化が実現したのか

 

 アフリカからヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、そして日本各地を旅してきたホリエモンは、現地で何を見て何を考えたのか、今回はエストニア編だ。

 

 

 2018年の初旬、エストニアへ行ってきた。Skypeの開発拠点であり、誰でも電子国民になれるe-Residencyというシステムを導入するなど、ブロックチェーン技術を基にした電子政府化で近年、世界中から注目されている国だ。

 

 

 エンジェル投資家の孫泰蔵氏が、電子政府の仕組みを採り入れるPlanetwayとの戦略的パートナーシップを締結したことで、日本でも知られるようになった。

 

 僕が首都・タリンに着いたのは2月の初めだった。街はマイナス10度以下の極寒だったが、視察したシェアオフィスのスタートアップ企業たちは、熱かった。

 

 動画自動制作のClipman、越境転職ベンチャーのJobbatical、中国の配車サービス大手DiDiの出資を受けているライドシェアBolt(当時はTaxify)、デリバリーロボットを開発するStarship Technologiesなど、どこもエネルギッシュで、業績を伸ばしていた。

 

 ITテクノロジーで東欧をリードする、エストニアという国の好調ぶりを表しているようだった。

 

 なぜエストニアがIT産業で先んじられたのか。それは地理的、歴史的な要因が大きい。

 

 この国はバルト三国のなかで最も西側に近い位置にある。首都・タリンはバルト海を挟んでフィンランドの首都・ヘルシンキと船で2時間の近距離だ。エストニア語は母語がウラル語族となり、フィンランド語と似通う。そのため、東西冷戦中からエストニアはテクノロジーなど、西側諸国の情報が入りやすかった。

 

 加えてエストニアは旧ソ連時代、バルト三国のなかでコンピューター系の産業を担当しており、冷戦後の国内には最先端技術のノウハウと人材が残った。

 

 彼らが新国家のシステムづくりを手がけ、後の電子政府の核となる、情報基盤連携システムX-Roadの構築へと繫がったのだ。

 

 エストニアは近年、外国人が国内で一定期間、自由に働いたりできる、デジタルノマド・ビザの発行を計画している。IT産業を通した外国人・外資の誘致を進める方針だ。国を挙げて、グローバル展開に積極的な姿勢を打ち出している。

 

 それは人口140万人に満たない国内マーケットの小ささゆえ、海外へアピールしていかざるをえない国家的事情によるものだろう。

 

 歴史的に、エストニアは隣国ロシアに吸収される懸念が常につきまとう。ITで欧米圏、またアジア圏と繫がりを強くしていくのは、ロシアへの牽制の意味もあると思われる。

 

 表面的な文化・経済だけでなく、地政学的に読み解けば、世界の国の実像を深く知ることができる。旅をより楽しむには、その国の言葉を学ぶのもいいけれど、地政学を採り入れていこう。

 

 

 以上、堀江貴文氏の新刊『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)をもとに再構成しました。新型コロナウイルスにより海外渡航が制限されるなかでも、人はマインド次第で「どこにでも行ける」。コロナ禍を生き抜くヒント満載の1冊です。

 

●『それでも君はどこにでも行ける』詳細はこちら

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