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スチャダラパー結成30周年「モテたい!でも頑張りたくない(笑)」ユルさの哲学
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.06 06:00 最終更新日:2020.12.06 06:00
●小沢健二に歌入れをまかせたら…「逃げ出した(笑)」
そして1994年、ボーカルに小沢健二を迎えて制作した『今夜はブギー・バック』が、売り上げ50万枚を超える大ヒットとなった。
B「これを出すまでは、『僕らの曲なんて、誰も聴いてないんじゃないか』って思ってたぐらい」
A「小沢くんとはデビュー後すぐに対談して、実家が同じ(神奈川県)川崎市だったこともあって仲よくなったんです」
B「(1994年当時は)ちょうど小沢くんもバンドやめちゃって、フリーだったんだよね」
S「小沢くん、あのころ暇だったんだよ」
B「それで、仲のいい人とコラボしてアルバムを作ろうってなって、小沢くんとかスカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)とか……。仲いいミュージシャンの友達が、ほかにはあんまりいなかった」
S「そのメンバーで、マックスくらいだったね(笑)」
しかし、曲の制作は意外に難航したという。
B「僕らは、先に勝手にラップだけ書いて、あとは小沢くんに無茶振り。“これにハマる歌ありますか? 小沢くん、ハイどうぞ!” って」
S「ラップだけでも、ひとつの曲になってたから。小沢くんがめちゃくちゃ悩んでた」
A「歌入れは小沢くんに完全におまかせしてたら、突然いなくなってた(笑)」
B「『スタジオの逆の扉から、小沢くんが逃げた(笑)。ヤバい!』ってなってたら、しばらくして戻ってきて、『ダンスフロアに~』って歌いだして。『えー!』みたいな。あれを思いついたのは、本当に天才だよ」
『今夜はブギー・バック』のヒットを確信したのは、地方ライブ後のある出来事だった。
B「ライブで観客が一緒にラップをやりだしたときは、びっくりした。あと地方のスナックに行ったら、そこで働いてる女のコが、カラオケで『ブギー・バック』を歌いだして。僕らに気づかずに(笑)。『売れてるって、すごい』って思ったね」
その後、時を経て、シニカルな内容をわかりやすく表現することが減ったように思えるスチャダラパーだが、根幹には常に “ハズれている視点からの妬み” があるのだとか。
B「いわゆる、“ど真ん中で売れてる人や物への妬みの視点” は、いまだにありますね。『どうせ、またつまんないヤツが売れてるんだろうな』とかいうことを、いまだに思ってる。
僕らは、ずっと外れたところでやってるから、『紅白』とかそういうのには出てないじゃん。でも、たまにそういう大きなところに寄せてもらっては弾かれて、オロオロしてる」
A「たまに、『なんかデカいとこに呼ばれるんだけど』みたいな」
B「で、呼んでみたら、とくにハネもせず、それなりで(笑)」