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『M-1』決勝進出!「錦鯉」の長すぎた下積み時代「地下にはスゴいやつがゴロゴロいる」の代表格だった

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.07 21:04 最終更新日:2020.12.07 21:36

『M-1』決勝進出!「錦鯉」の長すぎた下積み時代「地下にはスゴいやつがゴロゴロいる」の代表格だった

左から長谷川、渡辺

 

 12月2日におこなわれた『M-1グランプリ』準決勝。錦鯉は大トリで登場して爆笑をかっさらい、決勝進出を決めた。芸歴26年めの長谷川まさのり(49)と、同21年の渡辺隆(42)が、ついに “この場所” まで辿り着いたのだ。

 

 

 コンビとしては、結成8年めにしてブレイクした “遅れすぎたルーキー” である錦鯉。その長い長い下積み生活は、まさに苦労人そのもの。錦鯉の黎明期エピソードを、本人たちと関係者に聞いた。

 

 長谷川は北海道出身。じつはタカアンドトシと、ほぼ同期という、相当なベテランである。

 

「同級生と札幌よしもと入りして、その後、解散してから2年ほど、ピン芸人として地元の情報番組とかに出てました。そうしたら、解散した元相方は高校の同級生だったんですが、『もう1回組もう』と言われて……。『ゼロからのスタートだから、よしもとを辞めて東京でやろう』って言われたんです。

 

 僕ら、もう30歳になってたんですけど(笑)。札幌よしもとに相談したら、『じゃあ東京よしもとを紹介するから移籍でいいよ』と言われたんです。でも相方は、それすら拒んだ。そうしたら、『よしもとを辞めるなら、ほかの事務所を紹介してあげるよ』って。そこまで言ってくれたのに、相方が『とにかく自分でやりたい』と拒否したんですよね。

 

 僕は札幌でレギュラー番組を持っていたので、テレビ局にも相談したんです。そうしたら『改編期の9月まで待ってくれ』と。でも相方は、それも待てないと(笑)」

 

 当時の相方に振り回される形で、引きずられるように東京に来た長谷川。

 

「相方が先に行って、僕があとから行ってもいいじゃないですか。でも、一緒に行きたいって聞かない(笑)。『もし一緒に行かないなら、この話はなかったことにする』とか言い出して。僕は一緒にやりたかったんで、なかば不義理な感じで北海道を出てきたんです。当然、事務所の方もみんな怒っちゃって。

 

 そういう状況で上京して、最初はフリーで2年くらいですかね。そこでソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)という、今の所属事務所が新しく起ち上げられるって聞いたので、面接に行ったら、そのまま所属することになりました。一期生に近い感じですね」

 

 東京で、長谷川はそれなりに手応えを掴んでいた。当時のコンビ名は「マッサジル」。『おもしろ荘』(日本テレビ系)に2回出て、『めちゃイケ』(フジテレビ系)でも「やべっち寿司」のコーナーに出たりと、“売れる寸前” までは行っていたが、結局2回目の解散をすることになる。

 

 そのマッサジルを、「おもしろい先輩」と思って見ていたのが、今の相方の渡辺だった。渡辺が当時を回顧する。

 

「僕は、東京生まれの東京育ち。今でも実家で暮らしています。よしもと東京NSC5期生です。ピースとか平成ノブシコブシと一緒ですね。

 

 志村けんさんでお笑いを知って、ダウンタウンさんに憧れて。オテンキの江波戸(邦昌)と同級生で、NSCに入ったんです。その後、『ガスマスク』ってコンビで5年くらいやりました。

 

 解散してSMAに移って、今のだーりんずの小田(祐一郎)と、『桜前線』を組んで5年くらい。それも解散して、ピンでちょっとやってて、何もしてないのも1年くらい。バイトはしてましたけどね」

 

 錦鯉の結成は2012年。飲み会でフラフラしている長谷川に、渡辺が声をかけたのがきっかけだった。そこから2人は多くのお笑いライブに出続けた。

 

 そのころ、年に2回開催されていたTシャツ即売会イベント「Tシャツラブサミット」主催のハードコアチョコレート代表・宗方雅也さんが、錦鯉に目をつけた。

 

「イベントのなかで、投げ銭制のお笑いライブ『お笑いサバイバー・シリーズ』をやっていたんです。錦鯉は、結成してすぐ出てもらったと記憶してます。当時、ハリウッドザコシショウとか、バイきんぐ、ウメちゃん、コウメ太夫とか、SMAの芸人にも多く出てもらっていました。

 

 そのころから錦鯉は、めちゃくちゃおもしろくて、『トリを飾れる芸人さんだな』と思っていました。当時は、米粒写経とかWコロンがトリだったんですけど、忙しくなると、なかなか出られなくなったりするんで、強い芸人が欲しかったんですよね。錦鯉は、確実に笑いが取れますから」(宗方さん)

 

 お客さんが投げ銭で評価を決めるという、出稽古のようなライブで、錦鯉は無類の強さを誇った。知名度はまったくなかったが、毎回確実に爆笑をかっさらっていた。“歯が6本ないバカ” の長谷川が注目を浴びているが、相方の渡辺も要注目だと、宗方さんは言う。

 

「渡辺くんも、ポテンシャルは高いんです。インパクトありすぎの(長谷川)まさのりしか注目されてないんですけど、渡辺くんは、ユンボ安藤としゃばぞうと一緒にやってる『関東平野』ってトークライブでも、すごくおもしろい。回しのよさ、ツッコミ力、侮れないんですよ。

 

 2人とも地肩が強い。スゴい球投げるんです。イベントの司会をやってもらってたプチ鹿島さんが言うところの、『地下にはスゴいやつがゴロゴロいる』の典型なんです」

 

 長い下積みを経て、ついに狂い咲いた芸人史上最強のバカ芸人・長谷川と、バカを差配する司令塔・渡辺。錦鯉は『M-1グランプリ』決勝の舞台でも、確実に爆笑をかっさらうだろう。

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