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完売続出!どん兵衛「究極の8分麺」ができるまで…試作品は100超、成功の鍵は?

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.12.29 11:00FLASH編集部

完売続出!どん兵衛「究極の8分麺」ができるまで…試作品は100超、成功の鍵は?

 

 2020年11月、金色が鮮やかなパッケージに「史上最もっちもち麺」と書かれた、プレミアムな「どん兵衛」が発売された。パッケージには、「たどり着いた究極の麺」「驚きの食感まで調理8分」の文字が躍る。カップ麺の調理時間は、ほとんどが3分。それよりも長いどん兵衛でも、通常は5分だ。

 

 

 なにゆえ新商品は、型破りともいえる8分になったのか。「日清のどん兵衛」のブランドマネージャーである、木所敬雄氏に聞いた。木所氏は、どん兵衛の商品開発を担当する部署の総責任者。試作品も含めて一日に30杯ものどん兵衛を試食することもある、まさにどん兵衛を知り尽くした人物だ。

 

「過去に『10分どん兵衛』がメディアなどで話題になったこともあり、『出来上がるものが美味しければ、8分でも待っていただけるだろう』という発想が出発点です。

 

 最近はエッジのきいた商品に消費者の注目が集まる傾向があるので、パッケージに8分の文字を描き『え?』と驚いてもらいたいと考えました」

 

メディアで話題になった「10分どん兵衛」。麺もつるつる

 

 狙いは的中。ワイドショーでも取り上げられ、売れ行き絶好調。売り切れ店も続出とか。ある意味、「冒険的商品」ともいえる「8分どん兵衛」。商品化にゴーサインが出るまで、相当な“社内根回し”をしたのではないだろうか。

 

「それはなかったです。上層部に商品のコンセプトを説明したら、『やってみたらいいじゃないか』と後押ししてもらうことができたので、すぐに開発に着手しました。ところが、やってみたら、なかなか簡単にはいきませんでした。

 

 もちもち食感を出すために、麺をどん兵衛史上最も太くしたのですが、狙ったようなもちもち感が出せず、軟らかい麺になってしまうんです。苦労した思い出しかないです。試作品は100を超えました。社長にも試食してもらうのですが、駄目出しの連続で、さすがにへこみました(苦笑)。

 

 肝は麺に『もち小麦』を30%配合したことです。通常のどん兵衛には入っていません。このもち小麦にたどり着くまで大変でしたが、ようやく理想のもちもち感を出すことができました。つゆも出汁を強めにして、麺のインパクトに負けないようにしています」

 

 そして社長が試食。感想はひと言、「美味しいな」だった。

 

 日清食品は、カップヌードル、日清ラ王、日清焼そばU.F.O.など、それぞれのブランドごとに独立した商品開発のための「グループ」がある。木所氏のグループには20代・30代の部下が6名。新入社員もいるそうだ。意外に少人数という印象だが……。

 

「昔は3~4人だったこともありましたので、そのころと比べると、これでも人数は増えたほうです。

 

 創業者の安藤百福は、自宅の裏庭に建てた研究小屋で、チキンラーメンをたったひとりで開発しました。それが社風となって受け継がれていて、『フットワークを軽くするためにも、できるだけ少人数で侃侃諤諤の議論をして熱量を高める』ことが、当社の商品開発の基本になっています。

 

 それぞれのグループは、独立した会社のような立ち位置になっています。ブランドマネージャーは、ブランドに対する全責任を負う、いわば“社長”のような存在ですので、会社経営についても学ばせてもらっています」

 

 木所氏を含む開発チームの7人は、出社すると間をおかず、新商品の試食をしたり、工場で作られたどん兵衛の味が均一かどうかを確認するという。まさに毎日が、うどん三昧。だが、ここまでとなると、さすがに苦痛では?

 

「それはないです(笑)。みんな、どん兵衛が好きですから。休日もスーパーなどを巡り、新作のどん兵衛に使えそうなアイデアを探しています。

 

 我々の使命は、『日清のどん兵衛』を100年ブランドにすることです。新入社員が生まれる前から、どん兵衛はあります。そんな若い世代にも、どん兵衛の美味しさを伝えていきたいと思っています。じつは、この取材のあとにも新商品の試食があるんです」

 

 2021年は、どん兵衛発売45周年。5月に新商品が発売されるという。どんな驚きがあるか、楽しみだ。

 

モデル・ミスFLASH2020 崎川みずき
写真・岩松喜平(崎川みずき)、長谷川新

 

(週刊FLASH 2020年12月22日号)

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