石丸謙二郎、役者人生を救われた『世界の車窓から』ナレーター秘話

20代のころ。芝居とバイトに明け暮れた日々

　仕事が安定すると、疼きだしたのがアウトドア好きの血。36歳から始めたのがウインドサーフィン。｢どうせやるからには｣とのめり込み、大会で優勝したり、プロのレースにも参加するまでに。2014年には、当時日本で歴代2位となる瞬間最高速度73.71km/hという記録を樹立している（現在は3位）。

　46歳からはフリークライミングにも挑戦。国体予選への出場経験もあるというから、こちらもかなりのハマりっぷり。そして50歳も間近になったころ、登山を再開する。

「毎年、30ほどの山に登ってますね。時間があれば、自分で車を運転してね。ハイエースを改造して、車中泊ですよ。そのまま仕事に行くこともよくありますよ」

　2018年からはNHKラジオ第一の『石丸謙二郎の山カフェ』で、山の楽しさを伝えている。2020年には山をテーマにした著書を2冊上梓。現在は、65歳から始めたピアノ、66歳から始めた墨絵に凝っているという。

「2020年の夏は、本当はマッターホルンに行く計画があったんだけど、コロナの影響で行けなかった。2021年は行けるといいな。

　こういう話をしてると、遊んでばかりだと思われるけど、ちゃんと仕事もしてるんですよ。今の生活、仕事と遊びの “ミックスピザ” みたいなものかな。自分ではうまくバランスをとって、コントロールしてるつもりなんです」

　カワハギの肝を醤油に溶き、そこに刺身を。燗酒を口に含めば、至高のひとときだ。

「いやぁー、うまい！　最高の贅沢だ」

いしまるけんじろう
1953年11月1日生まれ　大分県出身　日本大学藝術学部演劇科中退。つかこうへい事務所から、1978年に舞台『いつも心に太陽を』でデビュー。俳優業に加えて、ナレーターとしても活躍。1987年から始まった『世界の車窓から』（テレビ朝日系）の声でお馴染み。2018年からNHKラジオ『石丸謙二郎の山カフェ』にマスターとして出演中。2020年に『山へようこそ 山小屋に爪楊枝はない』（中公新書ラクレ）、『山は登ってみなけりゃ分からない』（敬文舎）を上梓

【SHOP DATA／まるいち食堂】
・住所／神奈川県三浦市三崎3-5-12
・営業時間／平日11：00～18：30（L.O.17：30）、土日祝11：00～19：00（L.O.18：00）
・休み／水曜日、ときどき火・水連休
※営業時間は変更になる場合があります。

写真・野澤亘伸

（週刊FLASH　2021年1月5日・12日合併号）