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宮川一朗太「松田優作さんができなかった50代・60代を演じる」

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.01.22 11:00FLASH編集部

宮川一朗太「松田優作さんができなかった50代・60代を演じる」

 

「子供が通っていた幼稚園が、この近くにあったんですよ。前を通るたびに、『あそこ、うまそうだなぁ』と気になって気になって。それであるとき入ってみたら、これが大当たり(笑)。もう25年ほど前の話になります」

 

 店に入ってくるなり、満面の笑み。その表情が、ここ「東海苑」が宮川一朗太(54)にとってどんな場所なのかを、物語っている。

 

 

「僕はもちろんですけど、娘たちもこの店が大好きなんですよ。小さいときから『今日は何食べたい?』って聞くと『東海苑、行きたい!』って、合言葉みたいに。誕生日祝いもこの店でやったことがあるなー。

 

 今日も『東海苑で取材があるよ』って娘に言ったら、『私、ついこの前、行ったよ』だって。もう大人なんで、自分のお金で来てるんです」

 

 すでに社会人となった2人の娘がいる。かつてはここで、家族4人で賑やかに食事を楽しんだが、妻とは10年以上前に離婚している。

 

「別れたあとも時々、元かみさんと娘と、一緒にここへ来たりしてたんですよ。う~ん……“家族の場所”、なのかな。だからなのか、ここはいつ来ても、家に帰ってきたような感じがするんですよ。“家族に戻れる場所”、なんでしょうね」

 

 絶対に外せない、というのが「チョレギ」。

 

「絶品ですよ。この、なんともいえない絶妙なタレ。いったいどうやって作っているのか、20年以上ずっと探っているんだけど、謎なんですよ」

 

 そして「特別なメニュー」というのが、「特上カルビ」だ。

 

「これはですね、毎回食べるものじゃないんです。めちゃくちゃうまいんですけど、値段が値段でしょ(1人前2800円で2人前から)。だから、特別なときしか頼めないです。すごくいい仕事が決まったときとか、万馬券を獲ったときとか」

 

 ステーキのようなカルビを、ハサミで切って焼く。「さっと炙るだけで十分。火を通しすぎちゃダメ」と言いながら、特別な肉との真剣勝負。ちょうどいい焼き加減のところで、肉をタレ皿へ、タレ皿から口へ。
「う~ん、これやっぱり最高だ! 早く次の万馬券当てないと(笑)」

 

 宮川のデビュー作は、1983年公開の映画『家族ゲーム』だ。

 

「オーディションは高2の秋。それまでオーディションは全敗で、『俺は俳優に向いてないんだ』って思い始めたころです。かなり適当にやっていたはずですけど、その “やる気のなさ” がイメージにぴったりだって、合格しちゃったんですね。

 

 そのときは、(松田)優作さんが出るなんて知りませんよ。いや、もし知ってたらすごい気合が入って、きっと落ちてたんじゃないかな」

 

 この作品で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

 

「いろんなドラマや映画に出させてもらって、それを優作さんに報告すると、『よかったな』って言ってもらえて。それがたまらなく嬉しかったですね」

 

 23歳で結婚。25歳から関西の競馬中継番組『ドリーム競馬』の司会を務めた。

 

「20歳のときですね、競馬と出会ったのは。舞台に出ていて、先輩の役者さんに誘われたんですよ。もうそれからドップリですね。

 

 しかし、そのおかげで競馬番組の仕事もいただけました。レギュラー番組なんで、安定した収入になるじゃないですか。それですごく助かったんですよ。あの番組のおかげで、なんとか生きていたようなものですから」

 

 というのも、そのころ俳優としての宮川の仕事は激減していたのだ。

 

「僕、かなりの童顔じゃないですか。30歳を過ぎても、まだ10代に見えなくもないって感じで。それが役者としての武器だったんですが、逆にウイークポイントでもあったんです。

 

 年相応に刑事の役、あるいは子供がいるパパ、それじゃあ若く見えてしまう。じゃあ若い役をやるかというと、やっぱり若い人と一緒に映ると、ある程度の年齢が見えてくる。そういうジレンマが、あのころはありましたね」

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