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『PUI PUI モルカー』を尾木ママが分析! 大人にも子供にも大人気の理由
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.02 06:00 最終更新日:2021.02.02 06:00
子供向け番組『きんだーてれび』(テレビ東京系)内で、毎週火曜朝7時30分から放送中のパペットアニメ『PUI PUI モルカー』が、ツイッターなどSNS上で爆発的な人気を集めている。
アニメの舞台は、モルモットが車になった “モルカー” に人間が乗り込み、移動手段として利用する世界。ふわふわのフェルト生地で作られた “モルカー”(冒頭の写真)のぬいぐるみを、1コマずつ撮影するストップモーションアニメの手法で制作されている。
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だが、ゆる~いキャラ造形とかわいらしい動きが可愛い子供向けの作品……と思いきや、なんとドハマりする “大きいお友達” が続出しているのだ! テレビ東京の番組担当に人気ぶりを聞くと――。
「大人の女性を中心に、早くも『シーズン2』の制作や公式グッズ展開を望む好意的な声がたくさん寄せられております。“モルカー” たちの純粋な可愛らしさと、実写で登場する人間たちが織りなす、絶妙な世界観に対する評価の声もいただいております」(テレビ東京宣伝部)
こんな反応もあったという。
「なかには、『テレビから “モルカー” の鳴き声が聞こえると、ペットのモルモットも鳴き出した』という、微笑ましいお話も寄せられています」(同前)
『PUI PUI モルカー』をよ~く見ると、環境問題などに対する強いメッセージが込められていることに気づく。“尾木ママ” こと教育評論家の尾木直樹氏に聞くと、「僕もつい最近知ったのですが、もっと社会的に知られてほしいアニメです」と大絶賛してくれた。
「セリフのないストップモーションアニメで、音楽といっしょに可愛い “モルカー” の動きや表情を見ていくだけなのですが、その中から物語性を読み解いていくことは、子供の想像力を刺激します。
物語性を読み解いていくと、たとえば『ゴミのポイ捨てはダメだよ』というメッセージが込められている回があるんですが、そうしたメッセージは、ひと言も言葉では説明されていない。教育の視点で見ると、これは非常にいいことなんですよ」(尾木氏・以下同)
子供への、望ましい視聴のさせ方もあるという。
「 “モルカー” たちの動きを見る子供たちの受け取り方は、みなそれぞれに違います。『おもしろい車だな』『ポテトのお目目が可愛いな』と思って見ている子と、『ゴミのポイ捨てはダメなんだ~』と思って教訓的に読み解ける子……という具合に、子供によって受取り方に違いが出るはずです。
でも、お父さんやお母さんは、『ゴミをポイ捨てしちゃダメ』などの秘められたメッセージを、すぐには教えないほうがいいですね。子供の感性にまかせて視聴させましょう。
何度か見ているうちに、子供たちは惹きつけられて、何か意味を汲み取り始めます。その意味で、このアニメはよくできていると思いますよ」
視聴者のなかには、フェルトで編んだ自作の “モルカー” をSNSに投稿する大人も少なくない。“大きいお友達” が夢中になっている理由は、コロナ禍に疲れた世相の影響も大きいのではないかと、尾木氏は分析する。
「老若男女を問わずに人気が急上昇しているのは、緊急事態宣言が発令されている真っ最中ということもあるでしょう。いいかげん、“コロナ疲れ” していますよ。そのなかでも、銀座で飲み歩いたりする国会議員がいたりね……。はっきりいって、腹が立ちます。
でも、社会に不条理が広がる状況で、“モルカー” が醸し出す癒やし効果が大きいんじゃないかと思うんですよ。モルモットたちは可愛くて、それだけでも癒やされるのに、コロナで苦しいからこそ、この癒やしの効果が10倍、20倍になっているように感じますね。
大人が見ると、このアニメには、社会風刺が込められていることにすぐに気がつきます。『動物虐待はダメ』『救急車が来ているのに、道をふさいじゃダメ』……とかね。ただ、そうした風刺も上から目線でなく、やさしく心に響いてくる。それが、大人にとっても心地いいんでしょう。
僕も、心地いいなと思って見ています。“モルカー” たちがもっと広まることで、社会全体を癒やしてほしい。相変わらず混雑する電車で通勤する人や時短で休業している人、会いたい人に会いたくても我慢している人……このアニメを視れば、きっと元気が出てくるでしょうね」
写真(C)見里朝希JGH・シンエイ動画/モルカーズ