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『オー!マイ・ボス!』鬼編集長・菜々緒の “デレのフルコース” でお腹いっぱい

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.17 11:20 最終更新日:2024.10.02 12:22

『オー!マイ・ボス!』鬼編集長・菜々緒の “デレのフルコース” でお腹いっぱい

 

 正直、筆者としては主人公・奈未(上白石萌音)の恋愛も仕事もどうでもいいと思えるほど、菜々緒が演じる鬼編集長・麗子の “デレのフルコース” を堪能できて大満足だった。

 

 昨晩放送された『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)の最終回。

 

 

 ここまで全話の平均視聴率が10%を超えており、先週放送の第9話は12.0%まで延ばしていた作品のフィナーレだけに、期待値は高かった。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)

 

 鬼編集長・麗子のことを簡単に解説しておくと、このご時世で現実に存在していたら一発アウトというようなパワハラ・モラハラを平然としてくるお方。菜々緒のデビルメイクも板についていた。

 

 だが根っからの鬼というわけではなく、奈未のことを徐々に認め始めていて、第6話では「ありがとう。何を守るべきか、あなたに教えてもらうなんてね」と感謝。

 

 また、麗子が惚れている会社の副社長・宇賀神(ユースケ・サンタマリア)の前では、初恋したてのJC(女子中学生)かよ、と思うほどウブな言動も多く、ギャップで魅せるキャラなのだ。

 

■凡庸ではなく王道、麗子のキャラは正解

 

 要するにツンデレキャラなのだが、最終回ではそんな麗子のデレが爆発。

 

 宇賀神に退職願を出した際に、勇気を振り絞って「あなたを、頼らせてください。私を支えてください」と伝える麗子。宇賀神が「それは、ビジネス面で? それともプライベート面で?」と尋ねるも、何も答えず笑顔で返すのみ。しかも、大人の微笑から少女のような屈託のない笑みに、瞬時に切り替える。この演技、菜々緒がやるからより映える。

 

 お次は麗子が退職して編集部を去る日に奈未と交わした会話。麗子が奈未に伝えたのは「あなたのおかげで素敵な雑誌を作ることができた。ありがとう」と奇をてらわないシンプルな感謝の言葉だった。

 

 ここにきてド直球のデレセリフ。皮肉や冗談を交えたニュアンスで感謝を伝える選択肢もあっただろうが、クライマックスはこのぐらいストレートなほうが響く。

 

 うがった見方をすれば、麗子は典型的な “最初は感じ悪かったけど実はいい人” キャラであり、キャラクター造形としては凡庸。だが本作は、お仕事ドラマと恋愛ドラマのいいとこ取りをしつつ、あまり深く考えずに楽しめるエンタメ作品を目指していたのだろう。

 

 そう考えると凡庸と呼ぶのは失礼な気がする。言い換えれば王道キャラであり、そのスタンダードな人物像を丁寧に作り込んでくれていた。

 

 キャラ造形は難解であればいいわけではない。だから第1話から最終話まで観た総括として、揶揄しているわけではなく、本当に麗子のキャラは正解だったと思う。

 

 とまぁ、とにかくツンデレキャラだった麗子のデレがこれでもかと加速し、カタルシス満載の最終回だったわけだ。

 

 余談だが、本作には動画配信サービス「Paravi」で視聴できる『オー!マイ・ツンデレ!恋は別冊で』という番外編オリジナルストーリーもある。こちらでは奈未の同僚の美人編集アシスタント・和泉遥(久保田紗友)と、ドS先輩・中沢涼太(間宮祥太朗)を中心とした恋物語を描いている。

 

 タイトルにある「ツンデレ」とは中沢のことなのだが、この番外編の最終回では中沢のデレが爆発。

 

 あんなにツンツンしていた中沢の甘々告白。往年の恋愛ドラマ『あすなろ白書』(1993年/フジテレビ系)のキムタク(木村拓哉)を彷彿させるバックハグも炸裂するので、エモくキュン死したい方はこちらも必見である。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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