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『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』最終回を男目線で見たら…トヨエツがゲスすぎて粋な件
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.18 17:35 最終更新日:2021.03.18 17:40
単細胞とゲス野郎、双方の “男の粋” を見せられた最終回だった。
3月17日にフィナーレを迎えた菅野美穂、浜辺美波のドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)。
恋愛小説家でシングルマザーの母・碧(菅野)が、大学生でオタクの娘・空(浜辺)に彼氏ができないことを嘆きつつ、母娘それぞれの恋が描かれてきた本作。最終回の視聴率が9.0%、全話平均の視聴率が8.7%という結果だった。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)
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紆余曲折を経て、最終的に碧は誰とも結ばれず、空も明確に彼氏はできないまま。ただし、碧は気の置けない幼馴染・ゴンちゃん(沢村一樹)と、もはや恋愛を超越した絆をしっかり確認し、空も一緒にマンガを描きあげた大学の同級生・光(岡田健史)と、恋愛&友情をハイブリッドさせた関係性を手に入れた。
要するに、母娘2人でこれからも幸せに暮らしていくだろうと予感させるハッピーエンドだったわけだが、筆者がこの最終回で一番、胸アツ展開だと思ったシーンを紹介したい。
■沢村一樹と豊川悦司、極上の演技合戦
それはゴンちゃんと、空の父親で碧がかつて愛した男・一ノ瀬風雅(豊川悦司)との対決シーン。
一ノ瀬は昔たった一週間で碧を捨てた男なのだが、碧に「たとえば、僕ら、やり直しませんか?」と伝え、沖縄に一緒に移住しようとプロポーズ。
そんな一ノ瀬が、ゴンちゃんの営む鯛焼き屋にフラリと現れたものだから、一触即発の事態に……。
一ノ瀬がニタニタしながら「碧さんも(沖縄に)一緒に行くことになるんじゃないかな」「碧さん、歳のわりに捨てたもんじゃない。あれでけっこういい女だ。1人にしておくのはもったいない」とゲスっぷりを披露した瞬間、ゴンちゃんの鉄拳が一ノ瀬の右頬を打ち抜く。
そしてゴンちゃんが「碧のこと、いい女とか言ってんじゃねぇぞ。薄汚い目で見るな!」と言うやいなや、一ノ瀬は「嫉妬ですか」と応戦。すると今度はゴンちゃんの強烈な頭突きが炸裂。
ゴンちゃんは何度も殴りながら一ノ瀬に向かって、「あんたにはなぁ、碧も空も渡せねぇ。一度捨てた奴は二度と信用できねぇ」「あいつらは俺が守る! 碧と空は、俺のもんだ!!」と吠えるのだった。
ゴンちゃんは一ノ瀬から挑発され、ようやく自分の本心を絶叫したわけだ。女性を「俺のもん」と言ってしまうあたりはジェンダー論的に波紋を呼びそうだが、碧と空への深く大きな愛がビシビシと伝わってきたのは確か。
一方、ゴンちゃんにブン殴られた一ノ瀬は、なぜか安心したような表情。そう、実はゴンちゃんが碧と空にふさわしい相手なのかを試すため、もしくはゴンちゃん自身にその想いを気づかせるため、一ノ瀬は徹底的にゲス野郎を演じたのだ。
大きな愛情がありながら普段は憎まれ口を叩いてしまっていた単細胞なゴンちゃん。そんな彼が怒りとともに見せた “男の粋”。
碧や空の実の母親を捨てた過去がある真正ゲス野郎だった一ノ瀬、そんな彼が再びゲスを演じることで見せた “男の粋”。
筆者は男なので碧や空にはあまり感情移入できず、どうしてもゴンちゃんや一ノ瀬の立場で見てしまうのだが、それぞれ真逆のベクトルで “男の粋” を見せつけてくれたのである。
ゴンちゃんの漢気と一ノ瀬の色気、どっちもカッコいい。こんなふうに歳を取りたいと思える魅力あふれる2人だった。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中