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名曲散歩/Johnny『ジェームス・ディーンのように』もともとは「トラボルタのように」だった

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.03.21 16:00FLASH編集部

名曲散歩/Johnny『ジェームス・ディーンのように』もともとは「トラボルタのように」だった

 

 東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。

 

お客さん:お、このイントロはJohnnyの『ジェームス・ディーンのように』。横浜銀蝿のボーカル・翔とはタイプの違う、ちょっと甘い歌声にシビれたもんだ。

 

マスター:1981年、ギタリストJohnnyのソロデビュー曲で、八千草薫主演のドラマ『茜さんのお弁当』(TBS系)の主題歌としても知られている。

 

 

お客さん:横浜銀蝿の曲といえばやんちゃなイメージだけど……。

 

マスター:銀蝿のやんちゃ系の曲は翔がメインで書いていたんだ。一方、Johnnyはもともとメロディアスな楽曲作りが得意だったという。

 

お客さん:ソロではその才能をいかんなく発揮した形だね。

 

マスター:ところでこの曲、もともとのタイトルは『ジェームス・ディーンのように』ではなかったという。

 

お客さん:“何のように”だったの?

 

マスター:『トラボルタのように』にしようと考えていたそうだよ。

 

お客さん:映画『サタデーナイト・フィーバー』のジョン・トラボルタ?

 

マスター:そう、この数年前に『サタデーナイト・フィーバー』が大ヒット。トラボルタが演じたのは普段はさえない塗装工だけど、土曜の夜だけはダンスで光るという

 

役どころね。そんな自分の得意分野に情熱をかける素晴らしさをモチーフに曲を作ったそうだ。

 

お客さん:なるほど。

 

マスター:でも、ジェームス・ディーンの方がかっこいいかも、と思い直してタイトルを変えたそうだ。

 

お客さん:今となってはこっちのほうがしっくりくるね。

 

マスター:そんなJohnnyは横浜銀蝿の解散後、ソロ活動を経て裏方に回った。

 

お客さん:裏方?

 

マスター:1988年、「音楽史に残るアーティストを作ろう」とキングレコードに入社。中山美穂らの楽曲をディレクターとして支え、植村花菜『トイレの神様』にも携わったという。

 

お客さん:そうなんだ!

 

マスター:2013年からは系列のベルウッドレコードの社長として辣腕をふるっている。

 

お客さん:去年から今年にかけて横浜銀蝿も結成40周年で復活し、グレイヘアをリーゼントで決めているJohnnyがカッコいいんだ!

 

 おっ、次の曲は……。

 

文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中

 

参考:『朝日新聞』2020年5月2日/富澤一誠『J-POP名曲事典300曲』(ヤマハミュージックメディア)

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