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篠原ゆき子、『相棒』初の女性刑事を演じる実力派は「キムタクに会いたくて」女優になった

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.25 16:00 最終更新日:2021.03.25 16:00

篠原ゆき子、『相棒』初の女性刑事を演じる実力派は「キムタクに会いたくて」女優になった

 

 女優・篠原ゆき子が訪れたのは、下積み時代のバイト仲間、根本秀平さんがシェフを務める、池尻大橋の「JOLIE」。

 

 アメリカンスタイルのイタリアンを提供する店だ。旧友を訪ねる感覚で来店し、ワイングラスを傾けては根本シェフとの会話に興じる。

 

「私たちがバイトをしていた横浜のレストラン『バブルオーバー』は、実家から5分くらいの距離にあり、家族でもよく行ったんです。

 

 

(明治学院大学の)大学1年から6~7年は、そこでバイトを続けましたね。根本君の作るまかないが誰のよりも美味しくて、楽しみだったなぁ」

 

 お嬢さま育ちのハマっ子は、小、中、高と通った学校の生徒指導が厳しかった反動から女優を夢見た。

 

キムタク(木村拓哉)さんが大好きで、女優になったら、現場で会えるかなって(笑)。デビュー直後に、木村さん主演のドラマ『エンジン』(2005年)にも出させていただきましたが、台詞がひと言あるかないかの役で共演場面もなしでした。

 

 でも、その前に犬の散歩をされている木村さんにばったり出会ったんです。私は自転車に乗っていて、木村さんと目と目もしっかり合ったのに、すぐダッシュで逃げちゃいました……」

 

 モデルをしながら機会を窺い、篠原は24歳で女優デビュー。ガッツが前面に出ない質で、オーディションに落ち続け、受かっても大きな役はつかなかった。

 

「28歳までに売れなかったら諦めよう」と思いながら続けていると、その歳はやや過ぎてしまったが転機が訪れた。

 

 菅田将暉がブレイクする契機になった2013年の映画『共喰い』に出演。菅田の父親役の光石研との体当たりの濡れ場が話題を呼んだ。

 

 それに先立つ2011年、篠原は自ら門を叩いた劇団ポツドールの公演『おしまいのとき』で主役を張ったが、舞台を青山真治監督がたまたま観に来ており、名指しで大役を得たのだ。

 

■コロナ禍で心の支えとなった撮影

 

 以降、『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)など、篠原は多くの作品で重要な役を演じた。

 

 2020年12月公開の『ミセス・ノイズィ』で初主演を務め、2021年5月には高畑淳子と倉科カナとの共演作『女たち』の公開が控える。コロナ禍で職を失い、母の介護に追われながら苦悩する主人公役だ。

 

「(内田伸輝)監督のご厚意で、脚本作りから携わらせていただき、リモート会議を重ねました。

 

 ロスジェネ(ロストジェネレーション……1990年代前半から2000年代前半の『就職氷河期』に社会に出た世代)世代の人のブログやSNSを覗き、どういう人たちなんだろうとリサーチもしました。

 

 私も同世代なんですが、ロスジェネってそれまで知らなかったんです」

 

 主人公の美咲は穏やかな性格の篠原とは好対照。やることなすことが裏目に出る。

 

「美咲は縛られているものだらけですね。役作りではリサーチより、私は自分の中のものを料理するほう。どんな役でも自分の中からしか出てこないタイプなんです。

 

 美咲のように私にも、『人生こんなんじゃなかったはず』と思った経験はあり、その気持ちを思い出したりしました」

 

 撮影は2020年7月、コロナ禍でなにもかもが手探りの状況のなかでおこなわれた。作品からも切迫感が伝わってくる。

 

「ほかの撮影が全部中止になっても、『女たち』が待っていたから気持ちはそこへ向かい、心の支えになりました」

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