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池田エライザ「『外人』と足蹴にされて…」学生時代の差別体験を乗り越えた「読書の旅」

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.03.25 20:00FLASH編集部

池田エライザ「『外人』と足蹴にされて…」学生時代の差別体験を乗り越えた「読書の旅」

 

 あなたの知る「池田エライザ」は、どんな人だろう。女優、2020年にデビューした映画監督、作家、カメラマン……。マルチな才能を発揮する池田本人が、どの肩書きにも染まらない “原点” を語った。

 

「子供のころはバレエを習っていたものの、休みになれば、男の子たちとサッカーおよびソフトボールに明け暮れる “野生児” でした。うちは兄2人、弟1人の4人きょうだい。ゲームはコントローラー4つで、4人対戦ができたんですよ。

 

 

 そのゲームも、なかなか横着なやり方をしていて(笑)。たとえば私が今でも大好きな『ゼルダの伝説』なら、お兄ちゃんに『神殿(ダンジョン)やって! ボス戦だけ私がやるから!!』と頼んだり。そんな環境で育ったので、女の子らしい『お人形遊び』とかは、本当にしていなくて」

 

 池田には、昔から続いている、彼女の “土台” ともいえる習慣がある。

 

「本はずっと、たくさん読んできました。子供のころは、ベッドの枕元に平積みにしていたので、いつも寝ているとき、バンッと顔に落ちてきて(笑)。それは、読書好きだった父の影響ですね。

 

 読書に目覚めたのは、小学校2年生ぐらいからです。はじめは、『かいけつゾロリ』『怪談レストラン』なんかを読んでいきました。ちょうど『ハリー・ポッター』シリーズが流行っていて、そのおかげで私たちは、ちっちゃい子でも分厚い本が読める世代でした。

 

 私は図書委員をやっていたんですが、図書室や図書館はいつも大繁盛。休日は、お母さんに市立図書館に連れて行ってもらったり、公民館の図書館にはしごで行ったりして。今は週に1冊が精一杯ですけど(苦笑)、そのころは、1日2冊は読んでいました」

 

 そうして重ねた読書経験は、子供のころから人並みならぬものだった。

 

「文豪たちの本は、小学生のときにあらかた読みました。『檸檬』(梶井基次郎)とか読んでたらカッコいいかな、って(笑)。

 

 みんなが教科書で『羅生門』(芥川龍之介)を読んでいるときには、『こちとら、もう『芋粥』とか『鼻』とか読んでますけど? 芥川は、明るいほうがおもしろいんだから!』って。小さいころの私には、そんなふうにちょっと見栄っ張りで、はすっぱなところがありましたね。

 

 当時はとくに、『三毛猫ホームズ』シリーズの赤川次郎さんが大好きで。字が大きくて、ふり仮名もあって読みやすかったんですよ。大人になってから、赤川さんの本の帯を書かせていただいたこともあったんですが、本当に嬉しくて、泣いてしまいました」

 

 本を読むことは幼少期の池田にとって、趣味以外の大切な意味があった。

 

「その当時、私のようなハーフの子は少なくて、まだ人種差別的な偏見が根強くありました。小・中学校では、同じ学校に通うコたちから、『おい、外人』と足蹴にされていて……。

 

 でも、そうした “子供からのいじめ” があるなかで、じつは “大人たちからの冷たい視線” も、強烈に感じていたんです。一方で、そんなことに自信をなくしている自分も嫌でした。そういう理不尽な環境から逃避するには、本しかなかった。

 

 本を読んでいる時間って、自分ひとりでタイムスリップしているような感覚になるんです。だから私にとって、読書は『旅』。はたから見たら、ただの “微動だにしない人” なんですけど、『スター・ウォーズ』を読んでいたら、自分の中ではスター・ウォーズの世界のできごとが実際に起こっています。

 

 あと私はミステリーも好きなので、たとえば新幹線に乗っているときは、伊坂幸太郎さんが書かれた “新幹線もの” のミステリーを読みます。読書は、そうやって現実世界をもっと楽しむ “術” でもあるんです。AI系とか、ディストピアもの(破滅的未来を描いたSF)は、いまだに好きですね(笑)」

 

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