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彦摩呂「料理が人生を潤してくれる」食レポの原点は “おかんの料理”
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.05.14 16:00 最終更新日:2021.05.14 17:56
■原点は「母の味」人生を潤す料理の力
食リポの原点は、自分が育った家庭にあった、と彦摩呂は言う。
「自分が4歳のとき、親が離婚しました。それまでは裕福な家庭やったんですよ。お屋敷ですわ。血統書つきの犬もおってね。
母親は自分と1歳上の兄貴を連れて家を出て、それから長屋暮らしが始まるんです。今でこそ珍しくないですけど、当時はまだシングルマザーゆうのは珍しい時代です。
おかんは大変やったと思うんですけど、明るく楽しく育ててもらいました。おかんが仕事から帰ってくると、ちゃちゃっとご飯を作ってくれるんです。
でも、子供ながらにも、仕事で疲れてるはずやのにとか、心配する気持ちがあるんですよね。だからいっつも『お母ちゃん、このサバ美味しいわ、焼き加減バッチリや』とか言うてね。
ちょっとでも喜んでもらいたいと思ってたんでしょう。今思えば、自分の食リポの原点はそこにあるんやな、と思うときがありますね」
彦摩呂には「料理が人生を潤してくれる」と思うようになったきっかけがある。
「あるテレビの企画で、思い出の味はなんですか、というのがあったんです。自分は『おかんのハンバーグ』ですわ。
うちのおかんのはね、フライパンに隙間なく8つぐらいハンバーグ入れてね、焼いてからケチャップとウスターソース、みりんとお砂糖を入れて、煮込みハンバーグにするんです。
そのまま食べて美味しいし、次の日にお弁当に入ってるのがまた美味しい。たまねぎのみじん切りなんかも粗いんやけど、それがまたいいんですわ。
それを30年ぶりぐらいにおかんに作ってもらって、食べた途端に子供のときの記憶がバァーッと甦ったんですよ。
鍵っ子やから首から鍵ぶら下げてお兄ちゃんと歩いてたこと、いじめられて泣いて帰ってきたこと、ザリガニ釣りして泥んこになったときのこと。そういう記憶を、おかんのハンバーグを口に入れた瞬間に思い出したんですよ。
味覚というのは、記憶そのものですよ。日本全国の凄腕シェフのハンバーグを食べ尽くしてきましたけど、それらをはるかに超えますね。味の記憶、それは自分の財産ですわ。そういう味があるだけで、人生は潤うと思うんです」
54歳になった今、俳優業にも力を入れていきたいと語る。
「今の若いコは、彦摩呂がドラマ出てたんは知らんでしょ。これでも水谷豊さんと犯人追っかけてたんですよ、『刑事貴族』で。今は昔みたいには走れんけどね」
ひこまろ
1966年9月15日生まれ 大阪府出身 地元でのモデル活動を経て、1988年「幕末塾」のメンバーとしてデビュー。映画『ファンシイダンス』(1989年)などに出演。その後、「宝石箱や〜」の決めゼリフでグルメリポーターの第一人者に。食育インストラクターの資格を取得。書画展『千年の旅へ』が6月30日まで東京・表参道のイタリア料理店「La CHIARA」にて開催中
【季節の和食 うま煮や】
住所/東京都新宿区百人町1-24-8 新宿タウンプラザビル2F
営業時間/11:30〜14:00(料理L.O.14:00 ドリンクL.O.14:00)、17:00〜23:30(料理L.O.23:30 ドリンクL.O.23:30)
定休日/日曜日
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(週刊FLASH 2021年5月4日号)