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竹野内豊『イチケイのカラス』恋愛を捨てた「月9」最大のヒット作品になるか

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.05.24 11:00FLASH編集部

竹野内豊『イチケイのカラス』恋愛を捨てた「月9」最大のヒット作品になるか

 

 竹野内豊主演『イチケイのカラス』(フジテレビ系)は、“新生月9” を象徴する作品になるかもしれない。

 

 先週月曜に放送された第7話の視聴率は13.6%を記録し、第1話から第7話までの平均視聴率が12.7%と絶好調なのだ。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)

 

 

 本作は、東京地方裁判所 第3支部 第1刑事部(イチケイ)に所属する自由奔放で型破りな刑事裁判官・入間みちお(竹野内)が、先入観にとらわれず自ら現場検証をおこない、冤罪を生むことのないよう真相を明らかにしていくリーガルエンターテインメント。

 

 生真面目で堅物な東大法学部卒のエリート裁判官・坂間千鶴(黒木華)が実質的なバディ役。

 

 そのほかにも柔和かつユーモラスで部下への理解もある部長裁判官・駒沢義男(小日向文世)や、人懐っこい性格のムードメーカーでみちおを慕う書記官・石倉文太(新田真剣佑)など、個性豊かな仲間たちが脇を固めている。

 

 そんな『イチケイのカラス』、先々週放送の第6話・先週放送の第7話で、第1話からほのめかされていた本作の縦軸の核心に迫るエピソードが描かれた。

 

 みちおが弁護士をやめ、裁判官となるきっかけとなった12年前の殺人事件。当時、みちおが弁護していた容疑者に無期懲役の判決が言い渡され、その人物は自殺してしまった。その事件について第7話で再審請求がおこなわれ、みちおが弁護していた人物が無実だったのか否かが明かされていく――という重要ストーリーだった。

 

■“新生月9” を象徴する『監察医 朝顔』超えが現実味

 

 本作の第1話から第7話までの視聴率を振り返ってみたい。

 

 第1話で13.9%とスタートダッシュを決めたものの、第2話は3%以上も下落して10.5%。このまま右肩下がりになるかと思われたが、第3話以降は持ち直して、第5話まで安定して12%台をキープ。そして先々週の第6話と先週の第7話は13%台に上がり、本作最高視聴率の第1話に肉薄する数字を叩き出した。

 

 ここからがいよいよ本題。本作が “新生月9” を象徴する作品になれるか否か、という話だ。

 

 フジテレビの月曜21時放送のドラマ枠は、1990年代には『東京ラブストーリー』(1991年)、『101回目のプロポーズ』(1991年)、『ロングバケーション』(1996年)といった恋愛ドラマのヒット作を生み出してきた。

 

 そのため、最近はあまりドラマを観ていない人からすれば、「月9=恋愛ドラマ」というイメージがあるのではないか。

 

 だが、近年は恋愛ドラマの視聴率が芳しくないこともあり、実は『海月姫』(2018年1月期)以来、「月9」で恋愛ものはやっていないのである。

 

『海月姫』の次は、詐欺師の活躍を描いた『コンフィデンスマンJP』(2018年4月期)を放送し、それ以降の10作品は下記のラインナップだ。

◯『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(第3シリーズ)』/事件解決もの(2018年7月期)
◯『SUITS/スーツ』/法廷もの(2018年10月期)
◯『トレース〜科捜研の男〜』/事件解決もの(2019年1月期)
◯『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』/医療もの(2019年4月期)
◯『監察医 朝顔(第1シリーズ)』/医療もの(2019年7月期)
◯『シャーロック』/事件解決もの(2019年10月期)
◯『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜(第4シリーズ)』/事件解決もの(2020年1月期)
◯『SUITS/スーツ2』/法廷もの(2020年4月期)
◯『監察医 朝顔(第2シリーズ)』/医療もの(2020年11月期)
◯『イチケイのカラス』/法廷もの(2021年4月期)

 

 事件解決もの4、医療もの3、法廷もの3……という、視聴率が手堅く取れる3ジャンルに集中させていることがわかる。筆者はこの10作品を “新生月9” と考えている。

 

 それ以前は全話平均視聴率が一桁台に沈むことが当たり前になっており、『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』『海月姫』は2作連続で全話平均視聴率6%台と大惨敗で、「月9」ブランドは失墜していた。

 

 だが、事件解決もの、医療もの、法廷ものの3ジャンルに特化した “新生月9” となってからは、全話平均視聴率が二桁台を記録する作品を量産できるようになっている。

 

 特に、2019年7月期の『監察医 朝顔(第1シリーズ)』は、視聴率が一度も一桁台に落ちることなく、全話平均視聴率12.6%を記録し、“新生月9” を象徴する最大のヒット作となっていた。

 

 さて、ここで『イチケイのカラス』の第1話から第7話までの平均視聴率を思い出してもらいたい。僅差ながら『監察医 朝顔(第1シリーズ)』の全話平均視聴率を越える12.7%となっている。

 

 このまま最終話まで好調を維持し、『監察医 朝顔(第1シリーズ)』の全話平均視聴率超えを果たせば、『イチケイのカラス』が “新生月9” を象徴する作品になるはずだ。

 

 最後に余談だが、“新生月9” の作品はシリーズ化されるケースが非常に多い。

 

ジャニーズ事務所を退所した錦戸亮主演の『トレース〜科捜研の男〜』以外は、「月9」や劇場版で続編が制作されている(今後放送・公開予定のものを含む)。

 

 気の早い話だが『イチケイのカラス』の続編を期待するファンは多いことだろう。というか、誰よりもフジテレビ自体がこのヒットコンテンツを、シリーズ化したくてしょうがないのではないか。

 

 今夜21時放送の第8話の視聴率も気になるところである。


●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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