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北川景子『リコカツ』離婚する理由を考え続ける “斬新な関係” に意外なほど胸キュン
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.04 11:00 最終更新日:2021.06.04 11:00
2人の離婚成立シーンは、今期ドラマでいちばん切なかった。
北川景子演じる出版社勤務の編集者・水口咲と、永山瑛太演じる堅物で家訓を重んじる航空自衛隊員・緒原紘一の「交際ゼロ日婚」 夫婦が、結婚早々に相性が合わないことが発覚。
そんな2人の “離婚に向けた活動” の日々を描いていた『リコカツ』(TBS系)。
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先々週放送の第6話のラストで紘一が役所に離婚届を出し、2人は正式に婚姻関係を解消した。実質的に「第一部・完」といった様相で、先週放送の第7話から夫婦でなくなった咲と紘一の物語の「第二部」がスタートしたのである。
■オリジナリティあふれるお見事なキュンシーン
離婚が成立して他人となった2人だが、双方の新しい恋の気配を感じてはジェラシーするなど、どう見てもまだ恋愛感情的に惹かれ合っている。
お互いに「元気?」とLINEしたい欲求に駆られて思いとどまるのだが、確かに離婚した相手に気軽に連絡することはできず、なんらかの口実が必要だろう。
しかし、第6話で2人が夫婦として最後の夕食を食べている際、はからずも紘一がファインプレーをしていた。
素直になれず反発し合い、離婚する理由を100個あげる流れになっていたのだが、結局5個までしか思いつかず、紘一は残り95個をLINEで送ると宣言していたのだ。
この宣言が紘一にとってはナイス口実に。
第7話で紘一は唐突に、「離婚する理由その6。皿の洗い方が甘い」と咲にLINEを送る。そのメッセージを見た咲は一瞬イラつきながらも、紘一からのLINEを喜び、「離婚する理由その7 お皿の洗い方にこだわりすぎる」と返信。
こうして、離婚理由を100個まであげるという口実で、2人のつながりが復活したのである。
離婚成立済みの元夫婦が離婚理由を送り合うとしたら、普通なら怒りや憎しみの感情をぶつけることが目的だろう。だが咲と紘一は、改めて愛情を育むかのように離婚理由を送り合う。
不思議な関係性による稀有なコミュニケーションだが、なかなかどうしてキュンとさせられる。これはオーソドックスな独身同士の恋愛ドラマではできない、“リコカツ” をテーマにしたラブコメだからこそのエッセンス。オリジナリティあふれるお見事なときめきシーンだったと思う。
さて、離婚した2人の物語はまだ数話分のエピソードが残されているが、お互い惹かれ合っているところを見ると、最終回は2人がひっつきハッピーエンドになるのではないか。
すでにもう「離婚」という破局イベントの最大カードを使ってしまっているので、物語の構成的にそれ以上のマイナス展開の山場は作れないはず。となると、最終回に向けてプラス展開で盛り上げていくことになるだろう。
最終的に咲と紘一がよりを戻すのが既定路線とすると、どういった形の復縁をするのかがポイントとなってくる。
一度結婚・離婚を経験しているため、もう婚姻届けは出さずに事実婚夫婦になる展開もありえそうだ。しかし筆者は2度目の入籍をするのではないかと予想している。
第6話、夫婦としての最後の夕食シーンで、2人はこんな会話を交わし、微笑み合っていたのだ。
紘一「(離婚理由を)100個思いつくのに一生かかりそうだ」
咲「一生かかる? 一生かけて100個? 離婚する理由を探し続ける?」
紘一と咲は再び結婚し、残りの人生すべてをかけて「離婚する理由その100」を目指す夫婦――つまり “リコカツ” を一生死ぬまで続けていくという、斬新な形で幸せを掴むのではないだろうか。
「離婚する理由その100」を目指すと聞くと、殺伐としていて不穏な夫婦関係に思うかもしれない。が、とらえようによっては、不満を溜め込まずにストレートに言い合える理想的な形とも言える。
そんな新しい夫婦像を見せてくれることを予感させる第7話だった。
本作の視聴率は第1話9.7%、第2話9.4%、第3話7.6%、第4話8.9%、第5話9.0%、第6話9.1%、第7話9.0%と推移している。第3話で7%台まで落ち込んでいるが、その後は盛り返し、現在は9%で安定して堅調だ。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)
最終回に向けて盛り上がっていけば、ここから視聴率10%超えもありえるだろう。第8話は今夜22時放送である。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中