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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『夜空の誓い』忌野清志郎さんがロックの世界に導いてくれた

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.06.12 11:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『夜空の誓い』忌野清志郎さんがロックの世界に導いてくれた

忌野清志郎のコーラスに参加する坂本冬美

 

 ロック、ポップス、ニューミュージック。ラテンに、ジャズに、演歌……。誰が決めたのか、音楽は数え切れないほどたくさんのジャンルに区分けされています。

 

 でも、しかし。そのひとつ、ひとつを隔てる壁は分厚く、気軽にヒョイと飛び越えられるものではありません。

 

 当然、演歌歌手としてデビューしたわたしは、生涯、演歌歌手・坂本冬美として演歌を歌っていくはずでした。はずだったのですが……。

 

 

――こっちへおいでよ。

 

 鋼で出来たその壁をヒョヒョイのヒョ〜イと乗り越え、演歌もいいけど、ロックも楽しいよと、わたしの手を引いてくださったのが…… “THE KING OF ROCK” 忌野清志郎さんです。

 

「コーラスに参加してほしいという話が来ているんだけど」

 

 降って湧いたような……という表現は、まさしくこのことです。

 

――へっ!? コーラス?

 

 頭は真っ白、目は点です。だって……わたしのなかで、忌野清志郎さんといえば、あの『い・け・な・いルージュマジック』です。ド派手な衣装に、奇抜なメイクで、坂本龍一さんとチューしている人……。あまりにもその印象が強すぎて、お話をいただいたときは、ただ、ただ、ひょえ〜〜っ、でした。

 

 なのに……。スタッフは大興奮で、とても、わたしには無理ですと言える雰囲気ではありませんでした。

 

 それどころか、「あの清志郎さんだよ」「いい!? これはすごいことなんだからね」「なんたって、あの清志郎さんだからね」と、今にははっ〜と額を床にくっつけて、土下座しそうな勢いで。ほとんど、水戸黄門の印籠です。

 

■ステージ衣装は学生服とセーラー服

 

 不安と緊張で引きつりそうになる顔をパン、パンと叩き、スタジオのドアをそ〜っと開けると――。

 

 そこにいたのは、えっ!? この人が本当にあの清志郎さんなの? と思うくらい、シャイで物静かな方でした。

 

 はっきりとは覚えていませんが、お互いどうしていいのかわからないまま、「初めまして、坂本冬美です」「忌野清志郎です」と、ご挨拶を交わした程度だったんじゃないかと思います(苦笑)。

 

 全曲、洋楽のヒット曲に、日本語の詞をつけて反戦・反核を歌ったRCサクセションのアルバム『COVERS』に参加したのは、山口冨士夫さん、三浦友和さん、泉谷しげるさん、そして、そして、桑竹居助の名前で参加した……桑田佳祐さん。

 

 ふふふっ。このときは、直接お会いしていませんが、やっぱり、桑田佳祐さんとわたしの間には、深〜いご縁があったんですねぇ。

 

 あっ! また話が脇道に逸れてしまいました。どうしても、桑田さんのことになると、わたし脱線する癖がありまして。

 

 浮かれ気分は横に置いて、今回、お話ししたいのは、清志郎さん、細野晴臣さんとのユニット・HISでリリースした『夜空の誓い』(1991年発売)です。

 

 ステージ衣装は、清志郎さんと細野さんが詰襟の学生服で、わたしはセーラー服。今は恥ずかしくて着られないし、見たいと言う方もいらっしゃらないと思いますが(笑)、当時は、それなりに似合っていたんじゃないかなぁなんて……モゴモゴモゴ。

 

 清志郎さんとの思い出は、また次の機会に、ですね。

 

さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。2020年11月にリリースされた桑田佳祐作詞・作曲『ブッダのように私は死んだ』が大ヒット中

 

写真・中村功
構成・工藤 晋

 

(週刊FLASH 2021年6月22日号)

 

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