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広瀬すず主演『ネメシス』物語の黒幕と判明した橋本環奈の “声” が活きた
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.13 11:00 最終更新日:2021.06.13 11:00
決して “橋本環奈のムダ遣い” ではなかった。
今夜、最終回が放送される『ネメシス』(日本テレビ系)は、ある意味、橋本環奈史上、もっとも彼女の特性が活かされたキャスティングだったかもしれない。
横浜を舞台に「探偵事務所ネメシス」のメンバーたちが難事件を解決していくという、広瀬すずと櫻井翔がダブル主演のミステリー作品。
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広瀬演じる美神アンナは、探偵助手ながら、天才的頭脳で実質謎解きをしていく役どころ。櫻井演じる風真尚希は、敏腕探偵のように振る舞うが的外れな推理が多いポンコツという役どころだ。
橋本は第3話から登場した天才理系大学生・四葉朋美役で、広瀬演じるアンナの親友である。だが、第8話で実は朋美が本作の縦軸となっていた事件の黒幕的存在だったことが明らかになり、第9話ではアンナを拉致監禁した研究所で、アンナvs.朋美の頭脳戦が繰り広げられた。
■可憐な顔立ちとはギャップのあるハスキーボイス
広瀬すずと橋本環奈。
絶世の美女であり、現在22歳の同学年という共通点もあるため、たびたび比較されてきたこの2人。
広瀬は映画『三度目の殺人』(2017年)で日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を受賞し、朝ドラ『なつぞら』(2019年/NHK)でヒロインも演じたことから、国民的女優といった風格を備えている。
一方の橋本は、広瀬ほど女優として確固たる実績はまだないものの、さまざまな作品で主役やヒロインを演じてきている。そのため『ネメシス』では広瀬の脇に橋本を添えるというキャスティングに、“橋本環奈のムダ遣い” という声もあがっていた。……橋本演じる朋美が黒幕とわかるまでは。
橋本はそれまで可憐なJDを演じていたが、怨嗟と狂気をはらんだ冷徹な悪役に豹変。この橋本の演技を見て、筆者が橋本環奈史上最高のキャスティングと感じたのには、理由がある。
というのも、ビジュアルは完璧美女である橋本にもウィークポイントがある。
それは、彼女の声。
橋本の声は清楚可憐な顔立ちとはギャップのあるハスキーボイスで、「声がガラガラ」といった心ない声も少なくなかった。
橋本はこれまで美少女ヒロインを演じることが多かったが、ルックスとしては申し分ないもののハスキーな声に違和感があり、いまいち世界観にマッチしないことがあったように思う。
ちなみに広瀬の声にはそういった違和感はない。広瀬は『バケモノの子』(2015年)や『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(2017年)といったアニメ映画でもヒロインを務めただけあり、アニメでも映えるキー高めのヒロイン声をしている。
橋本は正統派ヒロインを演じるうえで、声がハンディキャップになることもあったわけだが、今回『ネメシス』で演じたのは表向き可憐なJDながら、実は物語の黒幕。
そう、最後までなんの変哲もない可憐JDのままなら、“いつもどおり” そのハスキーボイスがネックになっていたはず。だが黒幕とわかると、その顔立ちと声の違和感がむしろ絶妙なスパイスに変貌する。怨嗟と狂気の迫真の演技に説得力を持たせる効果があったように感じた。
もし制作陣がここまで計算して橋本をキャスティングしていたなら見事すぎる慧眼だし、たまたまの結果論だったとしてもグッジョブである。
――『ネメシス』の視聴率は、第1話は11.4%と好スタートを切ったものの、第2話に一桁台に転落してからは一度も二桁台に浮上できていない。特に第5話~第9話は5回連続で7%台と低空飛行が続いている。
(※視聴率はビデオリサーチ調べ/平均世帯視聴率/関東地区)
今夜22時30分放送の最終話の視聴率はどうなるだろうか。橋本の演技とともに注目だ。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中