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日本の裸芸はアメリカに通用しないのか…アキラ100%、とにかく明るい安村、チェリー吉武に聞いた

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.06.28 16:00 最終更新日:2021.06.28 16:00

日本の裸芸はアメリカに通用しないのか…アキラ100%、とにかく明るい安村、チェリー吉武に聞いた

チェリー吉武

 

 数あるエンターテインメントのなかで、ダンスではDA PUMPのKENZOさんが世界大会・国際大会あわせて13冠を達成したり、マジックではイリュージョニストのHARAさんがマジック界のアカデミー賞と呼ばれる『Most creative illusionist』を受賞したりと、すでに世界で通用することが証明されています。

 

 

 しかし、お笑いに関しては、まだまだ通用したとは言い切れないのではないでしょうか。

 

 なかでも、ブロードウェイやハリウッドがある世界一のエンターテインメント市場のアメリカで、苦戦を強いられています。

 

 先日、海外進出をかけた世界同時オーディション『目指せ!グロバールスター』(日本テレビ系)という番組が放送されました。

 

 日本人がおこなうパフォーマンスに対し、イギリス、アメリカ、エジプト、タイ、メキシコ、中国の現役エンタメプロデューサーが審査し、認められれば世界進出できるという内容です。

 

 多くがマジックやダンスでチャレンジするなか、唯一お笑いネタを披露する芸人がいました。『R-1ぐらんぷり2017』チャンピオンのアキラ100%さんです。

 

 アキラさんはおなじみのお盆芸を見せ、マジックやダンスのパフォーマーに劣らない6カ国中5カ国のプロデューサーから合格を勝ち取りました。しかし、アメリカの女性プロデューサーだけが不合格にしたのです。

 

 アキラさんはアメリカで放送されているオーディション番組『アメリカズ・ゴッド・タレント』にも挑戦したことがあり、そのときの話を以前、お聞きしました。

 

「『アメリカズ・ゴッド・タレント』の1回戦にチャレンジしたときのお客さんの反応は、ウエルカムとブーイングが7対3ぐらいでした。審査員が4人いて3人は合格だったんですが、1人が不合格で2回戦に進めなかったんです」

 

『R-1ぐらんぷり』のチャンピオンがアメリカでは1回戦敗退という厳しい現実。

 

 アキラさん以外にも『アメリカズ・ゴッド・タレント』に挑戦した芸人がいます。裸でテーブルクロス引きのネタ(仰向けの状態でテーブルクロスで裸を隠し、両乳首、股間の3カ所にコーヒーカップを置いてクロスを引く芸)を得意とするウエスPさんです。

 

 彼はその芸をフランス版の『ゴット・タレント』で披露し、フランス人から大喝采を受けました。しかもその芸で予選から飛び級できるゴールデンブザーを獲得し、いきなり決勝に進出したのです。

 

 イギリス版でも準決勝まで進出したウエスPさんでさえ、『アメリカズ・ゴット・タレント』では1回戦で敗退。

 

 本ネタに入るための準備段階で、ウエスPさんがテーブルクロスで裸を隠しながらパンツを脱いだ瞬間、女性審査員に不合格ブザーを押されてしまいました。

 

 最終結果はアキラさんより低評価の4人中3人が不合格ブザーです(唯一合格を出したのは男性審査員)。

 

 このことから裸芸は評価が別れることがわかります。フランスやイギリスは、裸芸に対し寛大で好評価。しかし、アメリカは裸に対するアレルギーが特に女性に強いようです。

 

 やはり、裸芸はアメリカでは受け入れられにくいのでしょう。

 

 筆者は以前、とにかく明るい安村さんから『安心してください穿いてますよ』のネタを韓国で披露したときの話を聞きました。

 

「韓国は裸がダメなんですよ。だからベージュの全身タイツを着てその上からパンツを穿いてやりました。

 

 韓国語を丸暗記してやったのですが、お客さんの反応が『フォー!』みたいな感じで、めちゃくちゃ盛り上がったんです」

 

 韓国はテレビ番組や大きなイベントで裸は禁止だそうです。もし日本で全身タイツを着てやったら、バカバカしさが半減してしまうぶん、あまりウケないと思います。

 

 しかし韓国では全身タイツを着てもお客さんは十分満足してくれたと言うのです。

 

 もしかしたら、裸に厳しい国は、全身タイツなどで対策した方が安心できて、むしろ盛り上がるのかもしれません。

 

 今後、アメリカや韓国で裸系のネタをやる際は、ワハハ本舗の社長で、演出家の喰始さんが発明した裸スーツ(2006年の紅白歌合戦でDJ OZMAのバックダンサーが着用して裸に見えると騒動になった全身タイツ)を着用するのはいかがでしょうか。

 

 ネタの最初に、いったん裸ではなくタイツを着用していることをわからせ、安心させてから本ネタのパフォーマンスに入るのです。それをつかみにできれば、本ネタにもスムーズに移行できます。

 

 この案をワハハ本舗所属でニューズウィーク日本版『世界が尊敬する日本人100』に選出され、先日『アメリカズ・ゴッド・タレント』にも出演した、チェリー吉武さんに提案してみました。

 

「確かに、裸スーツのネタはいいですね。ただウチの社長が僕に使用許可を出してくれるかは、わからないです(笑)。

 

 裸スーツは先輩方から代々伝わってるネタですから、社長から『お前にはまだ譲れない』って言われる可能性があるんで。

 

 僕、世界には尊敬されているんですけど、ウチの社長には認められてないんです(笑)」

 

 いつかメイドインジャパンの裸スーツをまとってアメリカを爆笑させる芸人さんを見たいものです。

 

インタビューマン山下

1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人とライターの二足のわらじで活動している

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