田辺エージェンシーと秋元康とTBSがタッグを組んだ、女優の発掘、育成プロジェクト「私が女優になる日_」。応募者9000人の中から、オーディションで選ばれた10人が、TBSドラマの出演権をかけて、同名番組(土曜夜0時58分〜TBS)で3カ月に及ぶ演技バトルを繰り広げている。
毎週、オリジナル台本が準備され、それぞれが台本を解釈した上で、脚本家や演出家など3人の審査員の前で演技をする。審査員はその場でどちらの演技がよかったかをジャッジ。3−0だったり2−1だったりと判定され、演技についての評価もくだされる “ガチバトル”だ。
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福岡県から収録に通う、メンバー最年少で14歳になったばかりの出口真帆。撮影ではあどけない表情と大人びた表情の二面性を見せた彼女に話を聞いた。
――オーディションに合格してからのまわりの反響は?
番組が始まったころは、学校でも噂になって「テレビに出てる?」と、よく聞かれました。そのあとは言われなくなったなと思っていたら、演技バトルで順位がつくので、あんまり言っちゃいけないと思って、気を遣ってくれてたみたいです。
あとは、病院に行ったときに、お医者さんに色紙を渡されて「サインください」と言われました(笑)。
――ご家族の反応は?
お父さんもお母さんも前から応援してくれていたので、今回も応援してくれています。オーディションに合格したときは、本当に喜んでくれました。「楽しんでね!」みたいな感じです。
――オーディションに合格してから変わったことは?
大人の方と話す機会が多くなったので、敬語をちゃんと使うとか礼儀をきちんとするとかっていうことに、気をつけるようになりました。あとはメンタルも強くなってきたと思います。それから、福岡の田舎にいたのにいきなり東京に出てきて、メンバーをはじめ、いろんな人に会えた。これってすごいことだなって思います。
――番組が始まってから、気持ちが下がったり、落ち込んだことは?
「等身大の自分でいいよ」と言われたんですが、“等身大の自分”ということがよくわからなくて……。演技のやり方もわからないし、審査員の方の言葉に落ち込んだというより、自分自身に落ち込みました。
私は最年少なので、まわりはみんなお姉さんばっかりで、自分をよく見せなきゃとか、自分で自分にプレッシャーをかけていたというか……。
表情がこわばってしまって、まわりの人にも「いつもの真帆ちゃんじゃない」って言われたりして。自分で自分を隠そうと思ってたのかなって思います。
――逆に、気持ちが上がったこと、嬉しかったことは?
落ち込んだこととつながるんですが、そんなふうに自分自身にプレッシャーをかけて自分を隠してたと思うんです。そしたらまわりの方が「いつもの真帆ちゃんでいいんだよ」って言ってくれたのがすごく嬉しくって。それで「出口真帆でぶつかってみよう」と思えたんです。
その後のバトルでは負けちゃったんですけど、審査員の方から「表情のバリエーションが増えていてよかったよ」という言葉をいただけたんです。
知らないうちに抑えていた自分を出せたことは、嬉しいなって思いました。メンバーたちからも刺激をもらっていて、それもいい方向につながっていると思います。
――番組が始まってから、新しく始めたことは?
ドラマを観る視点が変わりました。いままでは、楽しそうとかおもしろそうとか、自分の興味のままに観ていたんですね。でも自分が演技する立場になって改めてドラマを観ると、「いまの表情はすごい自然だな」とか「ここの仕草が魅力的だな」など、出演者の表情や仕草を観るようになりました。
――カメラの前で演技をすることは?
大人の方がたくさんいて、カメラで撮られていると思うと緊張してしまうので、撮られているとこをあまり意識しないようにしています。
あと、気づいたことがあります。私たちは演技をして映していただいてる側なんですけど、カメラマンの方やスタッフさんのおかげで、テレビで放送されるんだって。私たちがいまここにいるのは、たくさんのスタッフさんがいるからなんだって気づけたことは、すごくよかったと思っています。
――女優になったらやってみたい役は?
とにかくいろんな役をやってみたいです。ちょっと怖い役からおもしろくてコメディまで。幅広い役を演じられるようになって、「出口真帆といえば?」と聞いたときに、いろんな役が出てくるような女優さんになりたいです。常に自分に自信を持ちつつ、自分とその役の間で演技をしたいなって思います。
でぐちまほ
2007年生まれ 福岡県出身
写真・福田ヨシツグ
ヘアメイク・合田和人、中山ゆかり、橋込明子、山崎純子(以上、D-GO)
スタイリスト・山本杏那
衣装協力・FILA