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『プロミス・シンデレラ』演技派女優・二階堂ふみが、いまさらラブコメに出るワケ

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.07.20 11:00FLASH編集部

『プロミス・シンデレラ』演技派女優・二階堂ふみが、いまさらラブコメに出るワケ

 

 なんで今さら、こんな突飛な設定でコメディ色もある恋愛ドラマに出演しているんだ? ……と不思議に思った方もいるんじゃないだろうか。

 

 先週火曜に第1話が放送された『プロミス・シンデレラ』(TBS系)に主演中の二階堂ふみのことである。

 

 

『プロミス・シンデレラ』は、人生崖っぷちのアラサー女子・桂木早梅(二階堂)、高級老舗旅館の若旦那・片岡成吾(三代目J SOUL BROTHERS・岩田剛典)、その弟でひねくれた性格の高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)の三角関係を描いた作品。

 

 夫の浮気が発端で離婚を切り出され、不運が続き「バツイチの無一文、無職、宿無し」となってしまった早梅は、公園で野宿生活をしていた。そこに因縁のあった性格の悪い超カネ持ち高校生・壱成らが現れ、ひと悶着。だが、興味をもった壱成は自宅の豪邸に早梅を住まわせ、「ただで泊めてやる代わりに “リアル人生ゲーム” をやろう」と持ちかけるのだ。

 

“リアル人生ゲーム”とは、サイコロを振って、出た目で指定されたミッションをクリアすれば賞金をもらえるという悪趣味なゲーム。最初のミッションは「セレブパーティーで主役に恥をかかせたら20万円」というものだった。

 

■二階堂ふみの真の目的は “天下獲り女優”?

 

 さて、この第1話のあらすじを聞けば、『プロミス・シンデレラ』がちょっと現実離れしたドタバタラブコメであることは、視聴していなくてもおわかりになったはず。

 

 こういったライトなラブコメが、いつの時代にも一定の需要があるのはわかる。しかも本作が放送されているTBS火曜21時は、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)、『私の家政夫ナギサさん』(2020年)、『オー! マイ・ボス! 恋は別冊で』(2021年)といった恋愛ドラマのヒット作を量産しているドラマ枠。20代女優が今もっとも主演したい枠かもしれない。

 

 しかし、それでも二階堂ふみがこのドタバタラブコメに主演することに違和感を覚えた人は少なくないはず。

 

 二階堂と言えば、映画『ヒミズ』(2012年)では父親を殺害した同級生と愛し合う役で染谷将太とダブル主演、映画『私の男』(2014年)では実の父親と肉体関係を持つ役で浅野忠信とダブル主演。センセーショナルな社会派問題作で頭角を現してきた演技派女優だ。

 

 そして、順調にステップアップを果たし、大河ドラマ『西郷どん』(2018年/NHK)では主人公の2番目の妻を演じ、朝ドラ『エール』(2020年/NHK)ではヒロインを好演している。

 

 もはや二階堂ふみは、演技派・国民的女優とも言えるのである。そんな彼女がなんで今さらこんなベタなラブコメに? と思う人もいるだろう。

 

 だが、これまでの二階堂の言動や仕事選びを振り返ると、実はそこまで意外性はないのだ。

 

 彼女は2016年、映画『オオカミ少女と黒王子』で山崎賢人とダブル主演している。タイトルから想像できると思うが、この映画は山崎演じる性格の悪いドSイケメン高校生と、二階堂演じる嘘つき女子高生が恋に落ちるキュンキュン系ラブコメ。二階堂は『ヒミズ』や『私の男』で狂気をはらんだ役で高い評価を得た後にも、この手のラブコメ作品に出演経験があるのだ。

 

『オオカミ少女と黒王子』に主演したときは意外に感じたが、二階堂がバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の人気コーナー「ゴチになります!」に、新レギュラーとして加入した際のコメントから、その理由が紐解ける。

 

 2016年の正月に「ゴチになります!」の新レギュラーとして初登場した際、共演者から「何で引き受けた?」と尋ねられた二階堂は、「知名度を広めたくて」と答えていたのである。

 

『オオカミ少女と黒王子』主演も「ゴチになります!」レギュラーもかなり驚きがあったが、「知名度を広めたくて」という言葉で、腑に落ちた感があった。

 

 二階堂は映画通などの玄人だけにウケる存在で終わるつもりは毛頭なく、マス(大衆)を狙いにいっているように思う。そう、実力も実績も兼ね備え、老若男女に愛される “天下獲り女優” を目指しているのではないだろうか。

 

『ヒミズ』や『私の男』などで演技の実力をこれでもかと知らしめ、『西郷どん』や『エール』で中高年層への認知度も高められた。そんな二階堂が、いま狙っているのが若い女性層からのさらなる人気獲得。

 

 5年前に『オオカミ少女と黒王子』に主演しているが、改めて若い女性たちからの支持を強化しようと考えたとき、TBS火曜21時枠のラブコメドラマでの主演が最適解だったのだろう。

 

――先週火曜放送の第1話は、平均世帯視聴率7.9%、個人全体視聴率4.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と低調だった。二階堂が女優として天下を獲ることを目標にしているのであれば、ここからもう一歩前進するために、今夜放送の第2話以降での巻き返しが必要不可欠に違いない。

 

●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中

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