エンタメ・アイドル
東村アキコ、人気漫画家の “裏” の顔はお笑い事務所社長「劇場維持費は月100ページ分の原稿料」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.20 06:00 最終更新日:2021.07.20 18:45
■漫画の合間にネタ執筆ギャラは10対0で全額芸人に
「私の漫画は月産200ページなのですが、原稿料の半分はお笑い事務所の経営にもっていかれる感じですね。『先生何やってるの?』と引いている担当編集者や漫画家仲間もいるのですが、好きなお笑い芸人=『推し』のために本気でお金を使うのは無駄ではないと思い、やっています」
そう笑顔で語るのは数々の名作で知られる人気漫画家の東村アキコ。なんと東村は漫画執筆のかたわら、2016年から本格的に芸能プロダクションを経営している。
【関連記事:ちばてつやの「楽しい終活」漫画家人生64年、今がいちばん充実】
お笑い芸人・俳優のマネジメント、コントや漫才の創作、東村プロダクション単独のお笑いライブの開催など……。2019年12月からは新宿・歌舞伎町に自前の劇場まで構えている。
「現在、純粋に漫画に関わるスタッフは10人。それ以外に23人が芸人として事務所に所属しています。ブレイクした芸人はまだいません」
東村がお笑いプロダクション経営を始めたきっかけは、「旧友を助けるため」だった。
「上京した当時、飲み友達に売れない芸人たちがいたんです。10年ぶりに彼女たちに再会すると、40代後半でリタイア直前状態。『アキコ先生にお笑いライブを主催してほしい』とリクエストされ、漫画ネタをやる芸人を集めてライブを主催しました。
すると、出演芸人たちが『M-1やキングオブコントのエントリーするのに事務所名を入れたい。東村プロダクション所属と書いていいか?』とか言いだしたんです。それからなし崩し的にこんなことに……」
当初は東村の旧友だったアムール(ロッキー、虹組キララ)とアンチックラバーズの二組(ともに夫婦コンビ)のみが所属。「完全に小規模でやるつもりだった」という。なぜここまでの大所帯になったのだろうか。
「所属を希望する芸人を『せっかくだから』と全員受け入れていたんです。一応、若い芸人がよいのですが、なぜか年配芸人しか応募してこなくて……。
私は『情に流される』というか『情にしか流されない』性質(たち)なので、悪人じゃなく社会性があれば、ネタ見せで笑いひとつ起きない人でも所属させています。正直、うちは所属芸人より漫画アシスタントのほうがおもしろい人が多いくらいです」
こう語る東村だが、所属芸人たちには最高の環境を与えているようだ。
「うちはギャラ配分が完全に10対0。芸能プロでの私は無収入で、全額芸人に渡しています。吉本の芸人さんとかに話すと驚かれますね。芸人の仕事やバイトがない時期には、漫画のアシスタントの仕事をお願いすることもあります」
東村からの所属芸人への支援は金銭面だけに留まらない。アンチックラバーズには、東村がネタまで書き、2人の前で実演しているという。
「完全に放送作家(笑)。100本はネタ台本を書きました」