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テレ東ドラマ『お耳に合いましたら。』飯テロ系ドラマと一線を画す深化体験
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.22 16:00 最終更新日:2022.02.14 18:21
このドラマは “観る” だけでなく、視聴者が “食べる” というアクションを起こすことで、はじめて100%の醍醐味を味わえる作品だと思う。“観る” だけで終わらせるのではなく、“観て食べる” ことがワンパッケージなんじゃないだろうか。
乃木坂46の元メンバー・伊藤万理華が主演で、木曜深夜に放送中のドラマ『お耳に合いましたら。』(テレビ東京系)。
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主人公は大勢の前で話すことが苦手なOL・高村美園(伊藤)。美園はちょっとしたきっかけから、ラジオ放送のように自身のポッドキャスト番組を配信し始める。
その番組は、「どこの街にもある、決して特別ではない、でも欲さずにはいられない」という有名飲食チェーン店のグルメ、通称「チェンメシ」への愛を熱量高く語るというもの。美園がパーソナリティとして成長していく姿を描くほっこり系ストーリーだ。
同作は、オーディオストリーミングサービス「Spotify」とポッドキャスト番組を連動させているため、ドラマ内で美園が配信する番組は、実際にポッドキャストで配信されるのも特徴である。
先々週放送の第1話では『松屋』の「牛めし」と「カレー」が一度に楽しめる「カレギュウ」、先週放送の第2話では『餃子の王将』の定番メニューである「餃子」や「天津飯」が紹介された。
■コロナ禍のシングルライフ飯を救うドラマ
一言で言えば飯テロ系ドラマ。本作は美園がポッドキャストのパーソナリティというオリジナルの要素があるが、飯テロ系にカテゴライズできるはずだ。
主人公が美味しそうに料理に舌鼓を打つことで視聴者が強烈に食欲を刺激される飯テロ系ドラマは、代表的なところだと松重豊主演の『孤独のグルメ』(テレビ東京系)があるだろう。
それ以外にも高畑充希主演の『忘却のサチコ』(テレビ東京系)、早見あかり主演の『ラーメン大好き小泉さん』(フジテレビ系)など、意外とこのジャンルのドラマは多い。
『お耳に合いましたら。』は、そんな飯テロ系ドラマをもう一段階、深化させているのだ。
深化のポイントは、紹介するのがテイクアウト可能なチェンメシのため、主人公が食す料理を視聴者も容易に入手できる点にある。
これまでの飯テロ系ドラマは、各地の名店や名物料理などを紹介するパターンが主流だったので、主人公が口にしたものと同じ料理を食べるためには、わりと時間と労力をかける必要があった。
しかし本作で登場する料理の数々は、全国各地のどこにでもあるチェーン店の料理。入手難度がこれまでの飯テロ系ドラマと比較して圧倒的に低いのである。しかもどの料理もテイクアウト可。主人公が口にしたものとそのまんま同じ料理を簡単に食べられるわけだ。
第1話で紹介した『松屋』に至っては、コロナ禍で営業時間・営業形態が変わっているかもしれないが、基本的に24時間・365日営業の店舗が多いチェーン店。つまり、深夜にドラマを視聴し終わった後、『松屋』に駆け込んで「カレギュウ」を食べるなんていうダイレクトなアクションを起こせる。
番組の予告を観れば、次回にどのチェーン店のどの料理が紹介されるかもわかるので、放送当日にリアルタイムで視聴しながら、主人公と同じ料理を食べるというスペシャルな体験もできる。
コロナ禍になって会食は控えるべきという風潮が浸透したので、シングルライフだと毎日独りで食事することが多く、寂しい気持ちを抱いている方も少なくないだろう。
そんな方はぜひ、本作で紹介されるチェンメシをテイクアウトし、ドラマを視聴しながら主人公と同じ料理を食べてみてほしい。美味なチェンメシを味わうだけでなく、楽しい食事の雰囲気も一緒に味わえるはずだ。
――今日の深夜に放送する第3話で紹介されるのは「名代 富士そば」。美園と一緒に、そばに舌鼓を打つのも一興だろう。
●堺屋大地
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。これまで『女子SPA!』『スゴ得』『IN LIFE』などで恋愛コラムを連載。現在は『文春オンライン』『週刊女性PRIME』『日刊SPA!』などに寄稿中