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名曲散歩/永井龍雲『道標ない旅』山口百恵の恋人宣言さえなければ…関係者の無念

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.25 16:00 最終更新日:2021.07.25 16:00

名曲散歩/永井龍雲『道標ない旅』山口百恵の恋人宣言さえなければ…関係者の無念

 

 東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。

 

お客さん:お、このイントロは永井龍雲の『道標ない旅』。スケールの大きな歌だね。「道標」と書いて「しるべ」と読ませるんだよね。

 

 

マスター:1978年にデビューした永井龍雲が、翌79年にリリースしたのが、この『道標ない旅』。グリコアーモンドチョコレートのCMソングに起用され、知名度は全国区になった。

 

お客さん:あの頃のグリコアーモンドチョコレートのCMといえば、松山千春の『季節の中で』や、松崎しげるの『愛のメモリー』など、豪華なラインナップだった。

 

マスター:『道標ない旅』は『季節の中で』の次の曲として採用され、注目度もうなぎ上り!ヒットチャートも順調に駆け上がり、20位までたどりついた。ところが!

 

お客さん:ところが!

 

マスター:10月、山口百恵が大阪のコンサートで三浦友和と恋人宣言!

 

お客さん:ん? それと『道標ない旅』は、どういう関係があるの?

 

マスター:当時のCM業界も機を見るに敏だからね。アーモンドチョコレートのCMは急きょ、2人が共演していた過去のバージョンに差し替えられた!

 

お客さん:おお、なんという不運。ビッグカップル誕生の裏に、そんな話があったとは。

 

マスター:2クール放送する予定が1クールで終わってしまった。所属事務所とレコード会社は「あれさえなければ」と悔しがったというよ。

 

お客さん:そりゃそうだ。

 

マスター:現在、永井龍雲は沖縄に移住。年間60本のコンサート活動を精力的に続けているという。

 

お客さん:1クールしか流れなかった曲だったけれど、記憶にはしっかり刻まれている。

 

 おっ、次の曲は……。

 

文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中

 

参考:富澤一誠『フォーク名曲事典300曲』(ヤマハミュージックメディア)/『週刊アサヒ芸能』(2021年4月1日号)

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