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【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『俺でいいのか』パワフルな横山剣さんもマイクを離すとシャイな男性に

エンタメ・アイドル 投稿日:2021.08.07 06:00FLASH編集部

【坂本冬美のモゴモゴモゴ】『俺でいいのか』パワフルな横山剣さんもマイクを離すとシャイな男性に

横山剣とともにポーズを取る坂本冬美

 

「先頭は、オレデイイノカ! オレデイイノカ、今、ゴール! 勝ったのは、オレデイイノカ!!」

 

 わたくしのファンだという馬主さんがつけてくださったオレデイイノカ号が、先日、JRAのレースで、見事、初勝利を飾りました。

 

 今回のテーマは、実況中継の方が、その名前を連呼してくださったオレデイイノカ……じゃなかった、令和初の作品『俺でいいのか』(2019年発売)です(笑)。

 

 

 ミュージックビデオに出演してくださったのは、横山剣さん。マネージャーの “渋い男性がいい” という要望に応え、わたくしが……ここが重要なので、もう一度言いますね――この坂本冬美が、ご指名させていただきました。

 

 わたしが小料理屋の女将で、剣さんとは、ふふっ、お互い密かに惹かれ合う仲で……首にホクロをつけられても、剣さんは、嫌な顔ひとつせずにおつき合いくださいました。

 

 剣さん、その節は、本当にお世話になりました。

 

 ただ、ひとつ……歌っているときは、パワフルでカッコいい剣さんですが、握ったマイクを手から離した途端、シャイな男の人に様変わり。

 

 カウンターで、2人っきりのシーンがあったのですが、何を話していいのかわからないまま、もじもじ、もじもじ。まったく……いいおばさんとおじさんが、いったい何をやっているんだか、です(笑)。

 

 最後に2人でフェードアウトしていくところで、そっと剣さんの側に寄り、「腕を組んでもいいですか」と囁くと、「おぅ、おぅ……」と、剣さんはそこでも、もじもじ……。

 

 もっともそのシーンは、「くっつくんじゃなくて、わずかな隙間……ビミョーな距離感が欲しい」という監督の判断で、却下されてしまったんですけどね。

 

■美空ひばりさんの歌をイメージして作った曲

 

 坂本冬美の歌は難しいと、カラオケファンには敬遠されがちですが、この『俺でいいのか』は、誰もが口ずさめて、歌っているうちに心がほっこりとしてくる、幸せ演歌。おこがましいのですが、美空ひばりさんの『おまえに惚れた』をイメージして作っていただいた作品です。

 

 歌いながら指をお客さんに向ける振りも、ひばりさんが指をくるくる回しながら「♪おまえに惚れた〜」と歌っていらっしゃったのをちょっとだけ真似させていただきました。

 

 わたしがデビューした2年後に、ひばりさんはお亡くなりになったので、ほとんどお会いする機会はありませんでした。それでも、2度……お会いしたとは言いません。同じ空間にいさせていただいたことがあります。

 

 1度めはデビュー前。猪俣公章先生の付き人としてTBSに伺ったとき、たまたま、ひばりさんが特番の収録をされていて。「こんな機会はそうないから、お前も聴かせてもらいなさい」と、スタジオの隅っこで聴かせていただきました。

 

 2度めは歌番組の収録で、ひな壇を上ってこられたひばりさんと、ほんの一瞬だけですが、目が合ったような……。気のせいかもしれませんが、瞬間、全身にゾワゾワッと鳥肌が立ったのを覚えています。覚えているのですが……。

 

 どちらも、その時期にひばりさんがTBSの番組に出演されたという記録が残っていないというのです。そんな……。まさか!? もしかして、ふたつとも夢なの? それとも、現実? ひばりさんの記憶に関しては、自分で自分が信じられなくなりつつある、今日このごろです。

 

さかもとふゆみ 
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』など数多くのヒット曲を持ち、『また君に恋してる』は社会現象にもなった。最新シングル『ブッダのように私は死んだ』を含む、35周年記念ベスト『坂本冬美35th』が発売中

 

写真・中村功
構成・工藤晋

 

(週刊FLASH 2021年8月17日・24日号)

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